goo

カラット探偵事務所の事件簿 乾くるみ

あの心底驚かされた「イニシエーション・ラブ」の作者による最新作ということで、アッと驚く仕掛けを期待して読んだのだが、それなりに楽しかった。「あのイニシエーションラブの乾くるみだから何かやってくるだろう」という期待に答えようとするあまり、やや無理筋のような仕掛けも見受けられるが、期待に答えようとする真摯な態度は実に立派である。また4つ目の短編「別荘写真事件」には正直びっくりした。短編が6つ収められている本書、最初の3つまで読んで「軽い本だなぁ」「こんなもんかなぁ」と思っていたら、この4つ目の話にきて本当に「なんだこれは?」という感じだ。作者の頭には「こんな話を書いたら読者から怒られるのではないか」という心配はなかったのだろうか。これだけ読者をおちょくった「小説」も珍しい。私としては「怒る」というよりも、とにかくこういう小説を書くユーモア感覚に脱帽だ。(「カラット探偵事務所の事件簿」乾くるみ、PHP研究所)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )