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クラウド・コンピューティング 西田宗千佳
本書の副題は「ウェブ2.0の先にくるもの」である。この副題と「クラウド・コンピューティング」という聞き慣れない言葉を見ては、読まずにはいられないという感じだ。各章毎の内容がはっきりしているのと、適度に「思い当たる節がある」という程度の身近さが感じられて、大変読みやすい。それでいて新しい知識も豊富で訳に立つ。また、通信への過度の依存、信頼性の確保、通信量のネックといった「クラウド…」の問題点も的確に指摘されているし、さらにその対応策も示唆されているので、実に実用的な感じがする。但し、この本を読み終えて「クラウド・コンピューティングとは何か?」を自分の言葉で説明できるようになったかというと、やや自信が持てない。雲から雨が降って大地に恵みを与えるように、大きなコンピューターが「データ容量の無制限化」「アプリケーションの多様化」といった恵みを多くのPCにもたらす、というイメージだと思うのだが、それで十分に言葉の意味を伝えられているかというと、やや自信が持てない。「ウェブ2.0」という言葉は「次にくるもの」ということで言葉自体が曖昧さを含んだ言葉で、使う人によってそれぞれ違うイメージを持つことを許容している感じがある。これに対して「クラウド…」というのは「雲」という明確なイメージがあり、却って明確な意味を表現するのが難しいようにも思われる。(「クラウド・コンピューティング」西田宗千佳、朝日新書)
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