書評、その他
Future Watch 書評、その他
虎と月 柳広司
昨年の「ジョーカーゲーム」で一躍脚光を浴びた作者のミステリーYA・シリーズの中の作品。「ジョーカー…」の最大の魅力である虚無的な雰囲気と「ミステリーYA」のコンセプトが融合したような作品を期待したが、結果は、気軽に読めて、若者向けの教訓が少し入っているという完全にミステリーYA!向けの作品であった。学校の教科書に載っている「山月記」をベースにして面白い物語を作り出しているところなどは作者の器用なところが十分にでているが、それだけといってしまえばそれだけだ。しかも本書は今はやりの厚手の紙を使っており、通常400ページ以上でもおかしくない厚さの本なのに実際は250ページしかない。ての感触では厚さが倍近くある神を使っているのではないか。こうした厚い紙が流行っているのは、活字離れの若者に「厚い本を読破した」という満足感をもってもらうようにという意図があると聞いたことがあるが、それにしても、あまりに厚すぎて、1枚めくる毎に2枚めくってしまったのではないかと不安になってしまうというのは、やり過ぎではないかと思う。(「虎と月」柳広司、理論社)
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ジョン・クック ウェア GOLF
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