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深読みフェルメール 朽木ゆり子、福岡伸一

日本のフェルメール・ブームの仕掛け人ともいうべき2人の対談集。この2人の話であれば、読む前から面白いのは判っていたが、自らを門外漢と言いながら、緻密な取材と自らの感性を武器に語る内容は、予想通り大変面白かった。画家のモデル、真贋論争、盗難事件、画家としての技巧など、さまざまな観点から繰り出される2人の話は無類の面白さだ。特に。盗まれたまま行方不明になっている「合奏」についての話、もう1点あるはずのデルフトの風景画の話は、終わりの無いフェルメール探求の旅を感じさせてくれるし、全点踏破する際の注意点などは、実施する気の無い人が読んでも面白い。(「深読みフェルメール」 朽木ゆり子、福岡伸一、光文社新書)

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