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青子の宝石事件簿 和田はつ子

ある特殊な分野とか業界で起こる色々な事件をその分野の専門家がその専門知識を生かして謎ときをする、というおなじみのパターンの作品だ。こうした作品の場合は、扱う分野の魅力と登場人物の魅力、この2つが面白さの2大要素といって良いと思うが、本書はどちらかと言うと、前者の魅力が勝っているように感じた。宝石にまつわる色々な話、パライバトルマリン、ブラックオパールの話などは、全く知らない世界だったので非常に興味深く読むことができた。話自体は、ミステリーの要素はほとんどないが、薀蓄話もほどほどで、のんびり読むことが出来た。随所にこんな偶然があるはずはないというご都合主義が若干目についたが、ご愛嬌という程度だし、「この業界は意外と狭い」ということなのかと思うと、それほど気にはならなかった。(「青子の宝石事件簿」 和田はつ子、ハルキ文庫)

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