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女のいない男たち 村上春樹

とにかく話題になっているし、本屋さんでも山積みになっているし、評判もそこそこ良いようだし、ということで読んでみた。まずは、最初の「まえがき」が良い。著者の作品が「受注生産」ではなく「持ち込み企画」だという本書の内容に関係のない話からしてとても面白く、グイッと引き込まれてしまった。やはり著者の文章は何か独特の面白さがある。そして1つ1つの短編もそれぞれ印象的だが、最後の一番短い短編が全てを締めくくり、さすがに凄いなぁと感心してしまう。ビートルズの「サージェントペッパー」を意識したと著者が語るように、全体を貫くモチーフが本書を「トータルアルバム」にしている。やはり他の作家にはない共感させる何か、思いを文字に定着させる何かを感じる1冊だ。 (「女のいない男たち」 村上春樹、文芸春秋社)

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