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虚構推理 城平京

表紙をみて何となく「警察小説」のようなものだと思い、どんな内容の本か確認しないで購入してしまったのだが、読んでみたら大変面白いライトノベルだった。それも、その世界では結構有名な作品らしい。主な登場人物は3人だが、最初の数十ページを読むと、その3人の設定が判ってきて俄然面白くなる。話自体は荒唐無稽だが、「かまいたち」のたとえ話が出てきたあたりから、完全にその世界に入り込んでしまった。この世界の設定を考え付いた後にかまいたちの話を思いついたとすればその比喩がよく出来すぎているし、かまいたちの話からこの世界を構築したとすればそんなことを思いつく著者の頭はどうなっているのだろうかと思ってしまう。そのくらい、この世界の設定は見事だと思う。これだけの世界を構築したのだから、本書だけで終わらせてしまうのはもったいないし、当然続編があることを前提とした終わり方になっている。今後の読み手の期待を十分高めてくれる一冊だった。(「虚構推理」 城平京、講談社文庫)

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