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秘境駅へ行こう 牛山隆信

全国の秘境駅と呼ばれる駅を巡るエッセイ。著者は、秘境駅という言葉の命名者で、その道の大御所ということらしい。秘境駅というからには、非常に辺鄙なところにあって乗降客数も少ない駅ということは想像できるが、実際には予想を遥かに超える秘境ぶりだ。駅から他の場所に行く道が一本もない駅、完全に私有地に囲まれている駅、始発と最終が同じ駅(要するに1日1本しか汽車が止まらない)というのはまだ良い方で、時刻表には駅名があるが汽車が一本も停車しない駅もあるという。秘境駅になってしまった経緯も様々で、スイッチバックとかポイント切り替えの要員が待機することが主な使命だったという駅もあれば、駅と周辺が大規模な洪水で壊滅してそのままになっている駅というのもあるとのこと。巻末に「秘境駅を巡るお薦めコース」がいくつか紹介されているが、とても行く気にはなれなし本で読むだけで十分満足というほど全てが凄まじい。(「秘境駅へ行こう」 牛山隆信、小学館文庫)

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