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名画に隠された二重の謎 三浦篤

断捨離の身なので、展覧会に行って大きくて重い図録を買うことは滅多にないが、そこで今見た絵画のことが出ている解説本を買うことが時々ある。本書は、先日訪れた印象派展のミュージアムショップで購入した一冊。内容は、絵を鑑賞して普段見落としがちな、サインの位置・書き直しの痕跡・額縁、あるいは絵の中の窓・鏡・画中画といったものから分かるその絵に関する色々な事実の解説だ。個人的には、こうした美術書にありがちなやや強引な解釈が多い気もするが、とにかく色々な知識に裏打ちされた意見なので参考になることが多かった。文章を補足する図絵はほぼ完璧で、ここまで読み手のことを考えて図絵を収録してくれている本は初めてのような気がした。(「名画に隠された二重の謎」 三浦篤、小学館新書)
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