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中野のお父さんは謎を解くか 北村薫

出版社に勤める女性の古本屋巡りを趣味とするお父さんが、娘が持ち込む大昔の作家や文壇に纏わるちょっとした謎を色々な資料を引き合いに出して解決するという「中野のお父さん」シリーズの2作目。謎と言っても単に説明不足だけという感じの素人にはどうでも良いような謎ばかりなので謎が解明されてもさほど爽快感はないが、それでも次から次へと引用される古本や資料の多様さとそこに書かれた文章を記憶しているお父さんの執念には驚かされるし、ついその世界に引き込まれてしまう。著者は自分よりも少し年配で、時々繰り出されるおやじギャグには苦笑させられるが、それも含めて著者の魅力という感じだ。(「中野のお父さんは謎を解くか」 北村薫、文春文庫)
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