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転売ヤー闇の経済学 奥窪優木

「転売ヤー」と呼ばれる人たちへの取材を通じて、どのような品物が転売の対象になり、彼らがどのような手順で利益を出そうとしているのかを綴った一冊。本書で取り上げられている転売の対象となる品物は、ポケモンカード、PS5、羽生結弦グッズ、ディズニーグッズ、格安スマホ、高級酒などだが、これらには流行り廃りがあり刻一刻と変化しているとのこと。販売者側も転売をさせないように色々手段を講じるのだが、転売する側もその裏をかくように新たな方策を考えるようになり、イタチごっこなのだそうだ。一方、彼らの手口として紹介されているのが、クリスマス前のおもちゃ買い占め、デパート外商を利用した高級品購入、中国人によるライブコマース、各地のチャリティバザー行脚など。クリスマス直前のおもちゃ買い占めでは、5000〜7000円、バリエーションが少ない、知育玩具ではないという特徴の商品が買い占め対象として狙われるというのがなるほどと感心した。こうした手口を少しでも知っていれば、やたら高いものを買わざるを得ないという状況を回避できるので知っていて損はないだろう。(「転売ヤー闇の経済学」 奥窪優木、新潮新書)
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