玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

お殿様の晩節

2016-06-08 19:49:53 | 時事

明治四年の廃藩置県まで、知事と言う職は各藩の殿さまが勤めていました。だから、知事職は小さな一国の領主のようなものです。当節のお殿様たちの退任後の生き方はいろいろです。どこかの有名私立大学の教授におさまって、地方自治のオーソリティーのような顔をして、たまにマスコミに登場するのが一番幸運な晩年でしょう。若い方は、また下界に戻って、元の芸能界の職などに就いた人もいるようです。

関西の方では、何代か前のタコ芸が得意なお殿様は、街の片隅で顔を隠しながら暮らして、人知れずにお亡くなりになりました。そのお方は性にどん欲な人だったようです。ちょっと前の関東のお殿様は、カバンにお金が入らなかった人ですが、また著述業をやっているようです。小さな国のお殿様と言うのは浮沈の激しい職であると理解しました。

普通の人間が晩節を汚さないで職を全うするのは、これは結構大変なのです。定年まじかともなれば、満員電車に乗れば、女子高生の爺狩りの餌食にならないように両手はいつも見えるところに上げていなければなりません。みんなそれなりの努力をして、晩節を生き抜く努力をしました。お殿様はそうした下々の者のみみちい生き方をどう思っていたのでしょうか。

結局同じでしょ。名もない爺でも、満員電車で捕まれば、晩節を汚して、家族から疎まれ、町の片隅でひっそりと生きていかなければなりません。今世情を騒がしているお殿様は、もし辞職したら、どうなるんでしょう。どこへ行っても、せこい人と罵声を浴びてしまうのでしょうか?


 

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