知りたいことがメディアから報道されない、と思っていた。二人がイスラム国の人質になっていたことを、安倍首相の中東歴訪の前に政府は知っていたのだろうか、そのことだ。
ところが、今日の「報道ステーション」では、既に8月から政府が知っていたことが報道された。ということは、安倍首相は人質の二人に対する何の配慮もなく、また、イスラム国の逆襲のリスクの想定もなく、空爆に参加できない代わりに、2億ドルの援助をし、有志連合サイドの発言をしたことになる。そうした安倍政権の方向は、誰が決めたのか。安倍首相自身なのか、取り巻き達の総意なのか、それとも外務官僚たちの楽観論なのか。どちらにせよ、誰にせよ、それを明らかにすることによって、この政権の個人の人権に対しての温度感が明解になる。そして、誰がこの政権の真の決定者なのかが明らかになるだろう。この事件が終結したら、いかなる結果となっても、このことをメディアには追究してもらいたいものだ。
日本は欧米列国の真のメンバーに成れると思っているのだろうか。どうも、安倍政権は、かつての明治維新後の鹿鳴館のような背伸びをしてようだ。戦前の日本という國は、第一次世界大戦後には自ら大国と錯覚し、ロンドン軍縮条約で英米と軍艦数を競い合い、国内では膨大な戦時予算で軍備を膨張させ、それがのっぴきならなくなって、何の成算もなく太平洋戦争に飛び込んでいくことになる。そんな昔の話が、今また、通用するようになってきたんじゃないのか。今度は、軍備の膨張ではなくて、有志連合の一員になりたいという歪な大国意識からの中東支援が日本を戦争に巻き込んでいく。今日の安倍首相の国会答弁の開き直りから、そういうことが見えてきた。結局、夜郎自大の思い違いの尊攘志士の末裔が凝りもせず再び愚挙を繰り返そうとしている。日本人は黄色の肌のアジア人であり、白色の肌の欧米人にはなれない。