『タモリ論』(新潮新書)の読後感は、端的言って『笑っていいとも!』論であった。不思議なことに、ほんの一章に過ぎない「たけしのいろんなパクリ」や、「さんまの引退する上岡龍太郎への態度の凄み」と云ったことが鮮烈に残ってしまう。結局『笑っていいとも!』が、テレビを消した後まったく思い出せないように、サングラスの奥の表情が見えなくて、タモリの人物像が何も残らない。それがこの本の感想であった。
故野坂昭如氏はたまにはサングラスを外したし、晩年はサングラスが薄くてよく表情が読み取れた。しかしタモリは今でもサングラスが顔の一部となっている。もし、天皇の前で出演する場合はどうするのだろうか?EXILEのATSUSHのようにサングラスを取るのだろうか?もう年齢から察して、芸人として褒章を受けたときはどうするのだろうか。まあ、くだらない心配だが、・・・。