この圀は二つの法体系によって成り立っているという。一つは日本国憲法。もう一つは日米安保条約であろう。近年、安保条約の『地位協定』を変えずして、憲法を変えたいという首相がいる。さらにまた、より以上に、アメリカの従順で強力な助っ人(属国)になる御つもりなのか。お爺様はそう考えていなかったはずだ。
ABE氏の意図する方向が見えない。平野貞夫は先日「ネット」(『永田町フ~ゥン録』)で「安倍は9条改憲なんかどうでもいいんだよ。オリンピックのテロの危険性に引っかけて、緊急事態条項を造りたいだけだ」と言っていた。確かに安保法制で実質上は、現憲法下でも集団自衛権行使は可能になった。
それでは、緊急事態条項を造れば、それは当然に首相の権限になるのだろう。まさか四期目も首相を勤め、ヒットラーにでもなる御つもりか。まさか?21世紀の独裁者でもあるまいに?
そう云えば、『明治150周年記念式典』(10月23日)に平成天皇が出られなかったそうだ。公式的には「お声がかからなかった」と宮内省は答えたが、天皇に嫌われたのか、それとも別の意図や思惑があったのか。本来大問題になるはずなのだが、メディアは小さく報道する自由権を行使している。
今日の日経新聞では、『米中の冷戦をどう生きるか』(10・31)の締めの段に、「米国との安全保障条約を吉田首相が決断したおかげで、日本は米ソ冷戦に耐えられた」とある。吉田茂の英断と言うなら、コソコソ隠れるようにして、一人で陸軍司令部の下士官クラブで調印するのか?
また、安保条約に調印していたから、日本はソ連に占領されなかった、とでも言いたいのか。こんな浅薄な意見を堂々と紙面を飾る新聞、・・・もうだめだろうなあ、・・・。まさに紙幅のムダだな。