玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

定年後の読書

2023-03-31 12:59:21 | 

近頃、よく眠る。8時間は寝ているような、「春眠暁を覚えず」ならいいが、此の儘睡眠時間がどんどん長くなって、やがて24時間眠るようになるのかとも思ったりしている。

定年退職後、忙しさにかまけて、思想系の本を全く読んでいないことに気が付いた。そこでブック・オフで次の本を買って来て、当代の若い作家のことを調べてみた。

案内本としては優れていて、当時の2008年から現在まで、言論界に活躍している人が多い。

この若い学者たちの中で、まず使う言語そのものが解らなかったのが東浩紀、彼の他の本も分からない。いかにも偏差値の高さを見せる言葉の使い方は三浦瑠璃の論文になっていない作文に似ている。現在は両者が仲が良いというのも頷ける。

他の本を読むうちに信用できなくなったのが萱野稔人。この人はテレビにはよく出るが、肩書は一時期「哲学者」だった。ふと「哲学」と簡易に使うことに違和感を感じたが、NHKの歴史番組によく出るが、かなり上昇志向が強そうである。この二人は今は敬遠している。

現在読んでいるのが、白井聡と中島岳志である。とくに白井聡の『永続敗戦論』には、この國は今も敗戦状況にあるという指摘には共感している。

この二人の本や論考は西欧的な政治思想に基礎を置く言葉で書かれている。

コロナ禍の中、白井の『国体論』を読んでいたが、かなり格闘してしまった。どうも全体像が分からず、こちらの方が呆けたのか、それとも白井との年代的な差異なのか、単に意見の相違なのか、現段階で決めかねている。

今後『国体論』について少し書くことにした。

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スポーツはアナログ

2023-03-30 17:32:20 | あれこれ

WBCの余韻がスッポリこの國を覆っている。コロナも少し落ち着き、快い余韻でもある。つくづく大谷、ダルビッシュ、ヌートバー、みんなAIではない。デジタルは使ったかもしれないが、アナログの努力と精神の結果だと思った。

今のこの国の人々に欠けたモノは昔ながらの自らを信じる力だったような気がする。

確かに2000年以降の自民党政治は、ネオリベ一辺倒でアメリカ従属主義で、国民を欺き、掴んだ権力の有りったけを身内と自分が貪るだけの心の貧者の政治だった。それが小泉…アベ・スガ政治の実態でもあった。

もうこの国の政治は、宗教系右傾自民党と東大話法の忖度官僚と官邸の飼い犬の大手メディアから逃げ出して、新たな国民のための政治を取り戻すことをしなければなるまい。

先ずは遠い道のりだが、かつての革新政治が横浜・東京から沸き起き上がったように、もう一度、明石・杉並から始めねばなるまい。

次は何処の町か、村か、そして県か、もう一度やり直しである。本来、民主政治というのは時間と手間がとてもかかる制度なのだろう。

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花を知らない爺

2023-03-29 17:20:55 | 日記

子供の頃から植物の名前を覚えるのが苦手だった。小さい頃は木、草、葉としか云ってなかった。ただ調べるのが面倒だったからだが。

だからか、桜や梅や秋桜などの季節を代表する花以外は、殆ど花の名前を知らない。

昨年携帯に花の名前を調べるアプリを入れた。

そこで葬儀場の入り口の花壇にある花を携帯で調べたら、「ひなげし」だと知った。しかも別名虞美人草と。

これがアグネスチャンの「ひなげし」か!なんか呑み込めないモノを感じたが、まあいいや、と思った。

その経験で、今年は道ばたで見つけた。

道ばたの花で2,3日前から気に掛かっていた花を、面倒だが、立ち止まって携帯で調べてみた。

「すみれ」の花だった。さすがに恥ずかしくなった。この年齢になるまですみれの花を知らなかったとは。

宝塚の歌にもあるし、次に浮かんだのは岩崎宏美の「すみれ色の涙」の歌だった。

勝手に薄い白っぽい淡い色を想像していたのだ。

こんなに濃い青の涙が頬を伝ったらシュールな絵になるね。

 

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日付けの意味

2023-03-28 16:53:36 | 政治

安倍は2014年7月に憲法9条において「集団的自衛権」の解釈を閣議決定した。そして今話題の放送法4条の解釈変更を2015年5月12日に参議院委員会の質疑による総務大臣答弁で行わせたのだろう。

5月20日、安倍首相と志位委員長の党首討論があった。安倍は「ポツダム宣言」を「つまびらかに読んでいない」と述べた。

この度の総務省から流出した78枚の文書を見ると、委員会レベルでさえ周到な事前レクが官僚機構で行われるのであれば、党首会議であるならば充分に大臣レクをしたはずだが、敗戦国日本の首相にあって、「ポツダム宣言」を読んでいないとは到底言えないはずだが、それでも安倍は「読んでない」と押し通した。敗戦を認めたくないのであろう。

同じ年の8月14日、「先の世代の子供たちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と首相談話を発表した。

ちなみに、8月14日は終戦(敗戦)の日の前日である。

この年の8月30日、安保関連法案反対運動が起こり、国会周辺に12万人が埋め尽くした。それでも9月19日、安保関連法案は強行採決された。

この國のヒトはみな忘れやすい。

翌2016年7月10日第24回参議院選挙が行われ、自民党は56議席、単独過半数に至らず、改憲与党161議席で、2/3に届かなかった。それでも無所属改憲派を入れれば「与党大勝!」とメディアは報道した。それを聴いて不思議な感じを受けたのが今でも思い出す。既にメディアがおかしくなっていた。

突然、7月13日「平成天皇が生前退位する意思を固めたらしい」とのニュースが流れた。

2016年8月8日に平成天皇は「ビデオメッセージ」でお気持ちを表明された。

ちなみに8月8日は、7日広島、9日長崎に原爆投下された日を避けたのだろう。

 

【参考文献:白井聡『国体論』、適菜収『安倍政権とは何だったのか』、寺島実郎『シルバーデモクラシー』、古賀茂明『国家の共謀』、大下英治『自由民主党の深層』】

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総務省文書との符合

2023-03-27 19:04:53 | 政治

何となくだが、アベスガ体制に対して旧来の自民党政権と違う臭いを感じていた。

それが自分なりに感じたのは、2015年1月17日、エジプトのカイロで行った安倍演説だ。

「イスラム国との“戦争”が原因でイラクやシリアなどで難民・避難民が大量に発生していることを憂慮し、その支援のため2億ドルの無償資金協力を発表した。」

この時、既に後藤健二さんがイスラム国に捕らわれていた。1月30日、後藤さんは公開処刑された。2月3日、安倍首相は「罪を償わせる」と発言したのをテレビで見た。

後藤さんが殺された原因を自分で作っておいて、公然とイスラム国に罪を償わせる、という一国の宰相を見て、関係者は慌てたがメディアは深追いをしなかった。

あれから8年、総務省文書が公開された。「高市総務大臣へのレク」の日付けが2015(平成27)年2月13日である。

2月15日、産経新聞の朝刊第一面、南京での日本軍による中国人虐殺はなかったという主張の「歴史戦」シリーズ記事がスタートした。

この度の総務省文書は、ピンポイントで、アベ官邸の反民主化と右傾化への舵きりの証左であった。

以降、2015年3月から、安倍は「情報操作」という言葉を好んで使うようになった。

【参考:山口二郎『民主主義をどうしますか』、山崎雅弘『歴史戦と思想戦』、等】

 

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