玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

「個人」か「人」か

2023-07-09 16:44:51 | 憲法

着目したきっかけは、自民党の「憲法改正草案」が現憲法の第13条「すべての国民は個人として尊重される」が「人として尊重される」と変えられていたことでした。

自民党の法務族議員たちが原案を作成したのでしょうが、あえて「個人」が「人」に置き換えられていたように思いました。

「ひと」には「動物中にてその最上等に位し…」と。また「臣下」の意味もあるようです。【大槻文彦『言海』ちくま学芸文庫2017年 明治二十二年一月刊行】

彼らは慎重に言葉を撰んでいる油断のならない人達なのか。それとも自らの出自を誇っている人達なのか。

秋葉原で「こんな人たちには負けるわけにはいかない」と言った此の國の首相を、今後の若い世代は歴史の上でどう評価していくのでしょうか、…。

我々老いの者はそれを知ることはないと思いますが。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

糟糠の妻を捨て

2023-05-27 14:56:32 | 憲法

近頃、自民党と公明党との関係が怪しくなっている。民主党政権下で連携が壊れると観たが、なぜだか両党は離れなかった。

それが此処に来て、公明幹部が東京選挙区は自民党議員を推薦しないと息巻くのは、三年の野党時代を共に苦労した「糟糠の妻」を棄てるに等しいとの怒りだろう。

自民党とは単に現金な政党で、公明党を政権維持に利用していただけ。過去には「侵略行為を謝罪する」と掲げる社会党左派とも手を握った。自民党は、政権つまり利権の為にはどんな手段でも使う烏合の党である。

今や風向きが変わり、国民民主や維新は自民連立に擦り寄り、立憲のオワコン爺の岡田や野田派までも秋波を送る状況では、長年の古女房たる公明を棄てることもやりかねない。

その裏は、平和を標榜する公明党が最後は「憲法改正に二の足を踏む」と自民党は読んでいるのではないか。

とすれば、自民党はアベ派から宏池会まで本気で「憲法改正」に進むと観るべきであろう。

金科玉条の如く「九条を守る派」ではないが、自民党の世襲議員の日頃のおバカぶりや腑抜け天下り官僚の過剰な忖度を見れば、「普通の民主的憲法すら造れるはずがない」と感じる。

だから憲法改正に反対せざるを得ない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

政治と宗教

2023-01-27 14:10:11 | 憲法

ふと気になって、自民党の憲法改正案をネットで見た。

【現憲法】

第二 十 条

 信 教 の 自 由 は 、 何 人 に 対 し て も こ れ を 保 障 す る 。 い か な る 宗 教 団 体 も 、 国 か ら 特 権 を 受 け 、 又 は 政 治 上 の 権 力 を 行 使 し て は な ら な い

【改正案】

第 二 十 条   信 教 の 自 由 は 、 保 障 す る 。 国 は 、 い か な る 宗 教 団 体 に 対 し て も 、 特 権 を 与 え て は な ら な い 。

ーということは、宗教団体の政治上の権力の行使を現憲法と違って禁止していないことが解った。

2012年4月の憲法改正案作成以降、自民党は宗教団体の政治的な関与を禁止していない立場とも窺える。

連立を想定した公明党に配慮したのか、或いは、もうこの時から、既に「統一教会」が与していたのか、現在のところ分からない。

私は憲法改正を頭から否定する姿勢ではないが、統一教会や他の宗教団体と自民党との係わりが明確になるまでは、自民党と云う政党は信用しないことにした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そろそろ引退して欲しい

2022-06-03 14:02:02 | 憲法

この国の現在の劣悪な政治環境を見て、誰かが言った。「あの古い国会議事堂を壊せ!」と。それも一つの抜本的改革であろう。

ともかく、その古臭い国会議事堂のお仕事を家業とする自民党の世襲議員たちを何とかしたいものだ。その一番の典型が元首相のAさんだろう。彼は一番議員数が多い政党の、一番大きい派閥の会長だから、自分に一番政治力があると思っているのではないだろうか。彼は多数決が力だと思っているのだろう。

この単純で傲慢なヒトが幅を利かせる「自・公」政権や、同じように多数決が大好きな「ゆ党」が進める、憲法改正なんてどうも碌でもないような内容で読むと厭になる。

自民党草案の前文を読んだだけで、中身が時代遅れの国家中心主義の野暮ったさで、立派な方々が草案を作成されたのに、一昔前の憲法としか思えない。その程度の改正ならば、アメリカから押し付けられた憲法の方がましかも知れない。

だいたい何が恐いかと云うと、自衛隊を憲法で認めたら、ちゃんと文民統制できるのか、それが一番の問題だと思う。

確か自民党の草案では、第9条の2に「―、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。」とあるが、仮に、元のAさんが、前のSさんが、今のKさんが軍服を着て国防軍を指揮するというイメージがどうしてもわかないのだ。

そんな無理するならば、一応今の憲法は最も進んだ平和憲法で、文面も品がよく、世界に恥ずかしくないと思う。21世紀の今でも、この国の成し遂げた経済成長よりも、唯一誇れるものかもしれません。

ともかく、いつも政治権力の中枢にいないと、落ち着かない、我儘勝手なお坊ちゃん、いやもう立派な還暦を過ぎたお爺さんの顔は見飽きました。まだ傷がつかないうちに、どうぞご立派に引退されることを願うばかりです。

冴えない造形物。実は建物の看板なのです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

議論ができる国(後)

2022-05-27 14:01:48 | 憲法

今の自公政権はどうだろう。なにも表に出さない、スキャンダルも隠蔽し、違法性があっても警察にも捕まらない。

国会での質問・答弁も中身がなく、はぐらかしばかり、まともに答えていない。

国民に対しても、「個人情報」とか、「係争中なので」とか適当な常套句ではぐらかし、最後は理由も付けず、ただ「コメントを控える」と言って、要するに国民をバカにして答えない。

このやり方が一番多用したのがマスコミが「鉄壁のガースー」と誉め称えていたS長官だろう。馬鹿げたゴマスリに躍起となる政治記者の一群。もう既に、この頃にマスコミは自滅していた。

史上最長のA政権は、証拠の公文書まで毀滅したり、改竄さえする。つまりは、自民党という政党は国民に「議論しない、させない政権」で、国民はすぐ忘れるからとバカにして、単に多数決が民主主義、いや、単に「数は力」という政治勘しかない。

彼らが気を遣うのは、自分らが自由に使える僅かばかりの政治資金をいただく業界の利権だけを守る政党なのである。

総体としての各個人の議員としての能力は適当にあるのだろうが、ただ近代の歴史や政治を学んでいない、知ろうとしないで、職業としての議員に成れる構造に問題があるのだろう。

「憲法は国家の進む道を示す」ものではないのである。まさに国民の方を見ない議員の権力を牽制する、自分の出世しか考えない行政官僚の権力行使を監視する、つまり権力者の横暴を縛るのが憲法の制定の趣旨なのだが。近代の政治の基本を解っていないで、憲法改正を大声で云う議員ばかりだ。

究極は、そんな愚かな議員を選んでいる我々が悪いのだが、…。それ以前に出て来る議員候補の資質や人格が疑問だ。

要するに魅力のない候補者なのだ。だから投票率が上がらない。結果、小さな選挙区で苗字が知られている世襲の議員が国会の赤絨毯に辿り着くことになる。小さな選挙区から出て、国家や世界全体の事を考えられるだろうか。全く変な制度で悪循環そのものだ。

今の政治の諸悪の中心は小選挙区制度にある。これを何とかせねば、どうにもなるまい。今の与党はまさにゲリマンダーとして利用しているし、仮に野党が政権を取れたら、また自分らに都合が良いと変えないだろう。まあ絶望的である。

それなら国民が政治を知り、選挙で政治家を精選しなければ、何も進まないかな、…。でも将来は暗そうだ。

それには一回地獄を見なければならないかも。アホノミクスという失敗の荒れ地を自らの目で見る必要がある。今日スーパーに行ったら、レジで驚いてしまった。円安によって、これからもっと物価は値上がりするのだろう。

藤の枝は何処まで延びるのかな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする