玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

日本人種

2019-07-29 10:00:10 | 雑感

B・アンダーソンの言う、活字による「想像の共同体」とは、「国家のことではなく、国民のことなのだ」と若手の学者萱野稔人氏は言い、「日本では国民と国家を混同している」と念を押す。(『思想地図』NHKブックス)確かに、言われりゃその通りかも。

でもね、近年は国家もフィクションのように思ってしまうというのは、些か拡大し過ぎというものでしょうか。でもグローバリゼーションの時代には、主体性を持った国家というものが寧ろ邪魔になるのでないだろうか。

先日、小田急の田舎の方の電車に乗っていた。横の席に肌の黒い人がたぶん工事現場で働いている服装で、スマホを見ていた。つい覗き見をしたら、暑そうな国の映像が見えた。外は雨なのに、彼は何故だかサングラスをしていたが。

斜め向かいには、ベージュのスカートを着た、大きなきれいな目をした女の子が吊革につかまっていた。顔をベールで隠してはいなかったが、申し訳程度に髪はベージュのベールで包んでいた。ベージュ色でスカートとコーディネートしていて、けっこうおしゃれだ。たぶん回教系の人なのだろう。

この極東の日本という圀の純粋種の日本人でも、オリンピックに出るのはハーフが結構増えてきている。

民族国家というのは、20世紀とは別の概念付けが必要ではないだろうか。今更に、元号は万葉集からと言い、女系とか男系とかいう議論も、どこか色褪せた時代遅れの観がするが、どうだろうか?

横浜MM地区の貸自転車置き場

 

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奇妙で、異常な静寂

2019-07-24 10:46:19 | 時事

参議院選挙の評価や総括がない。昔は当然にメディアで周到に結果の分析を行ったと思うが、それすら封じられるほど、委縮したのだろうか。未だ嘗て無いほど奇妙で異常な静寂である。

改憲勢力、つまり参議院2/3を形成できなかったのだから、改憲を標榜した安倍自民党は敗北ではないのか。

メディアでは“勝利”というところが多い。ここにメディアの堕落が現れた。勝った!勝ったと「言ったもの勝ち!の世界」これが安倍政治の情報操作の特徴である。

早くも、メディアは自民党の実質的な敗北の事実を避けて、吉本問題に移行させている。これも深入りすると、今のどこにでもある劣悪な労働環境に関わってくるのではないか。

セクハラやパワハラの問題は、雇用者と被雇用者との正常な労使交渉が成立していない現在の労働環境の中で、唯一労働弱者が自己を主張できる大義性を持っている。吉本問題は、まさに自分ごととして若者の関心を捉えている。

得てして、マスコミ記者会見はうまく行かないことが多い。日大や加計は徹底して逃げることで延命している。

今回の吉本記者会見は、本来は社長の器ではない人材が、生意気にも権力を誇示し、パワハラという暴力を使ったことがバレてしまった。だから余計に周囲の怒りが増幅された。

これって、吉本の中に、小安倍や小菅・小麻生を見る。このことに官邸が気付くと、メディアの騒ぎの終息が早まるだろう。

 

波紋?

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陳腐な儀式

2019-07-22 13:18:48 | 時事

何事もなかったかのように、無視され、黙視され、結果だけが申し訳程度にタレントや学者を集め、選挙速報ショーという単なる儀式が行われる。

官邸の権力に怯えたメディアはもう必要ない。ぶっ壊せTV局、破ってやれ新聞!そんな感じである。この国はどん詰まりまできた。

情報操作し、国民をバカにする無礼な大与党。ただ難解で、変な反対語しか使えない法律屋の野党。

「憲法改悪」じゃないだろう。「戦争をする為の憲法の改正に反対します」と普通に言え!

そんな中、山本太郎は賢く動いた。政党自体が金儲け組織、身分安定集団になっている中、捨て身であったが、ああいう戦い方しかなかっただろう。

少なくとも無能で醜悪な野党よりはましだ。但し、与党は無恥で極悪だが。


昔、若者の憧れだった。あの頃は世の中に”あこがれ”があった。

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主権在民の憲法のはずだ!

2019-07-17 09:42:48 | 憲法

手元に、日本国憲法の衆議院可決の最終案なる草稿(国立公文書館蔵)がある。朱線による訂正文が見え消しになっている。

憲法前文の一節目の主権在民を書いた終わり部分が、当初の案文は「・・・ここに国民の総意が至高なものであることを宣言し、この憲法を確定する」となっていた。

それが極東委員会からの申し入れによって、主権在民主義が明確になるよう「・・・ここに主権が国民に存するものであることを宣言し、」と訂正された。

元の英文がsovereignty(主権)であることからして、意図的に「主権在民」を明確にしたくなかったと言うことである。

敗戦時の政府中枢は英文を誤訳までして、「主権在民」の押し付けに抵抗したのである。そこまで天皇制(国体)の護持に殉じるという姿勢に驚きを禁じ得ない。

今の安倍首相が、事あるごとに、「みっともない憲法ですよ」と言う理由は、まさかここにあったのかと思うと、滑稽であると同時に背筋が寒くなる。

最近の態度を見てると、どうやら特別な階級に自分は属していると考えている節も窺える。それでなければ、あれだけ国民に嘘をつけないだろう。

【参照文献:週刊朝日百科「日本の歴史」『日本国憲法』朝日新聞社2004年12-60,61頁】

この国が元気だったころ

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この圀の主権

2019-07-12 22:02:48 | 憲法

『弁護人』という韓国映画を見た。ノ・ムヒョン元大統領がモデルだそうだ。受け売りだが、韓国映画界では”韓流四天王“というスターがいるが、エラが張った巨顔でずんぐりむっくりの大スターもいるそうで、この映画では『シュリ』に出ていたソン・ガンホが四角い顔で主役を張っていた。

学歴のない弁護士が金を儲けることだけで生きてきたが、全斗煥政権下での拷問される学生の姿を見て、敢然と国家に立ち向かう映画であった。

そのワン・シーンに「憲法第1条2項に、大韓民国の主権は国民にあり、すべての権力は、国民に生ずる」と言い放った。実に格好がいい「主権の定義」だった。

日本国憲法では、第1条に「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」とある。天皇の地位を定義するために、主権が国民にあることを言っているに過ぎない。

国民主権の定義という点では、韓国の憲法の方が明確である。ついでに、中華人民共和国の憲法を見たら、第2条1項「中華人民共和国のあらゆる権力は、人民に属する」第37条1項「中華人民共和国市民の自由は侵されない」となっていた。

笑うしかないが、果たして、対岸の火事と安心できるのか。今の日本は、ほんとうに国民主権なのか?官邸の主権になっていないだろうか。

【引用文献:『新解説世界憲法集』三省堂2006年版】

弁護人(字幕版)

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