政治家、つまり議員さんたちは兎も角忙しい。忙しくなければ、これ又落選議員なのかもしれない。それ故、ゆっくりと本を読んだり、思索する時間が無い。その為、彼らの考えや意見は良い処取りや聞きかじりが多い。
演説や答弁で、キシダさんは助詞の区切りをよく間違える。それは官僚の書いたモノを事前に読んでいないからであろう。まあ、漢字を読めないスガさんやアソウさんよりはマシかもしれない。
アソウさんは何処で聴いたような、半分冗談か?予言や格言めいた事を偶に言うことがある。
古い話だが、彼は―2013年7月29日開催の国家基本問題研究所のシンポジウムで「僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)三分の二(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。・・・」
「憲法はある日、気づいたらワイマール憲法が変わってナチス憲法に変わっていたんです。あの手口に学んだらどうかね」―それから、なにが起こったか。同年8月に、内閣法制局長官に集団的自衛権承認論者である外務省出身の小松一郎が就任した。
そして、翌2014年2月の衆議院予算委員会で、アベ首相は
「(憲法解釈の)最高責任者は私だ。政府答弁に私が責任をもって、そのうえで私たちは選挙で国民の審判を受ける。審判を受けるのは内閣法制局長官ではない、私だ」といった。
そして、2014年7月1日の集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更が閣議決定された。
この時から、この國は変わり、俄かに右傾へ転がり始めたというヘンテコな現実がある。
法政大学の山口二郎は「ナチス全権委任法より強引な手口だ。」と云うが、もう遅かりしかも、…。
ところで、先日の台湾での「戦う覚悟」発言は何の符牒なのか?いささか気になる処です。
【参考・引用文献:中野晃一『右傾化する日本政治』岩波新書・適菜収『現代日本バカ図鑑』文芸春秋、古賀茂明『国家の暴走』角川書店、山口二郎『民主主義をどうしますか』七つ森書館】