玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

『朝、目覚めると、戦争が始まっていました』(おわり)

2024-07-05 09:55:23 | 

この本の「日記」から引用されたモノは、その日の出来事を淡々と記載しているのが殆どであった。それしか書けなかった社会状況、非常時の様相に全く触れていない。この本のもう一つの失敗であろう。

「本当のことが書けない」ということは何を意味するのか。当時の知識層は日記が「憲兵に見つかる」ことを怖れていた。西園寺公望の秘書の原田熊雄さえ、戦争が始まる一年前に「原田日記」(『西園寺公と政局』)を髙松宮に預託している。

現代の中国やロシアのように、生活の細部まで組制度に相互監視され、個人の思想・信条にまで特高警察や憲兵が踏み込んできた。これが此の國の戦前の実相なのである。

「戦後レジームからの脱却」と言った人たちは、自分だけは殺されない、捕縛されないという、強固な愛国心があってのことだろう。だが、系譜を見ると、なぜだか軍人官僚や革新官僚の子孫がいる。

歴史上、硫黄島で玉砕をした英雄将軍が居た。兵卒にも玉砕を推奨した筈だ。将軍は玉砕後に中将から大将に進級したが、足を括って列となって撃たれ兵卒たちも進級したのだろうか。

自民党の考えた新憲法案は、「個人」が消え、「人」に替えられる。「人」とは人間の個性から離れ、単に動物の哺乳類の「ヒト」を連想させる。この党の人権の薄さや生命の軽さを感じる。

現在のアメリカから貰った現憲法は決して理想の憲法と思わない。だが、裏金が好きな党に今の憲法より良い憲法を作れる能力や思考があるとは思えない。

(おわり)

 

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