玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

黒川事件の本筋 ―「法の番人」㈨ ―

2025-01-31 10:17:13 | 

文芸春秋の21・5・28号において、新型コロナ感染症自粛期間下において新聞記者と賭けマージヤンをしていたと報道され、黒川氏は辞職した。

この本の著者の鮎川は、検察庁が自らの不祥事で政権に付け込まれて、政権に便宜を図ることが常態化していたと言う。不祥事とは、過去に検察側は調査活動費の問題や大阪地検の証拠改竄等で政府側に弱み握られていた。黒川東京高検検事長はこれらの弱みの代償として政権側に恩を売り、結果として検察側を擁護してきたが、その組織から足をすくわれてしまったと述べた。

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著者は幾分黒川氏に同情している節がある。当時の世評は、ネットで騒いで黒川氏の定年延長を非難していた。世間がアベ・スガの強引な官邸人事に不満を感じ始めてきたのかもしれない。

当時はネットの勝利のように人々は黒川氏の辞職に喝采をしたが、実は根はもっと深く、検察や司法は自らの最後の牙城である人事権を守るべく、アベ政権が手を突っ込んで来た官邸人事を押し退け、独自の司法界による人事権を守るために、むしろネットの政権批判を利用して実現したという見方もできるのではないか。(続く)

 

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