この本の著者鮎川潤は「裁判所は国家の三権力のうち最も厚い秘密のベールに包まれている」と言う。
国民主権の時代になって約80年だが、官公庁の方針は何も変わっていない。今も論語の「由らしむべし、知らしむべからず」が生きている。
裁判所は自らの誤りのない存在として提示しようとし、間違いを指摘されることを極端に嫌いこれを避けようとする。そのために秘密主義となる、とも言う。
国民主権を守るべき憲法の番人が自らの地位を保持するために、所謂官僚主義で個人の人権を侵していく。これが此の圀の司法の実態ではないかと感じている。
袴田事件ばかりでなく、他にも冤罪事件があるのではないだろうか。和歌山カレー事件には物証がないらしい、…。
果たして、死刑という極刑を科す能力と資格が、此の圀の検察官や裁判官にあるのだろうか、…。