配信でみました。
本当はマイティ版も見てから感想を書くべきですけど、正直、この作品があまり好きじゃないのと、マイティビルはタカラヅカニュースの初日映像で見て、もうぴったりでいう事なしだったので、今回は暁千星バージョンにしました。
毎回、私はブロードウエイミュージカルが苦手と言ってますが、その理由は3つ
ストーリーがポジティブすぎる → 中身が薄い
歌・ダンスが独立しすぎて長く感じる → ランベスウォークとか
階級社会を揶揄している
なんで、天海祐希のさよなら公演を東京の3階席から見た時は、オープニングのコーラスがほとんど何を謳っているのかわからなかった事や、主役の登場があまりにも宝塚とかけ離れている感じがして、本当にあまり好きになれず。
でもわりと、大劇場のは見ている方ですけど、明日海りお・花乃まりあ版が泣けたなー仙名彩世のマリアおばさまが素敵だったという印象しかありません。
星組にとって「ME &MY GIRL」は初の試み。
礼真琴時代になってから暗い話ばかりで、こんなに明るいストーリーを星組でやっていいのかしら?って思ってしまう程になっている自分が怖かったです。
今回の作品の第一印象は「星組らしい体育会系でノリのいい、緩急はっきりした、全員個性的」なものに仕上がっていました。
この作品程、ちょっと間違えると見事に退屈になってくるし、ファンしか楽しめないって感じ。
博多座といえば霧矢大夢の完璧な「ミーマイ」が浮かびますが、歌もダンスも演技も完璧で拍手しか起きないものであっても、私にとってはつまんなかったっていう感じなんですね。
今回の暁千星バージョンで思ったのは、ビルは実はヘアフォード家にすぐに馴染んで、みるみる内にご領主さまになっており、生活もそんなに悪くないと思っているんだなと。
マリアおばさまに「ここは僕の家じゃない」といいつつも、居心地よさそうで歴史も覚えて、さすがに血は争えないと感じさせる部分が随所にあって。
だから、どんどんサリーとの差が開いて、それでも自分はサリーに合わせていくべきと心から誓っている。その裏には、父親がビルの母と恋愛した事を「失敗で終わらせたくない」との思いがあったんじゃないかと思うんですね。
自分が、本当に好きになった女性がたとえ身分違いでもヘアフォード家の奥方になる事が出来たら母の無念もはらせると・・まで思ったかどうかわからないけど、暁ビルのしつこい程のサリーへの執着にはそういう雰囲気がありました。
ご先祖様との語らいで、他のビルはみんな酒のせいでびっくりしてる風にしか見えなかったけど、暁ビルはご先祖様の思いを引きついで自分が領主にならなくちゃと思った筈なんです。
あの夜にサリーに会ったら、優しいビルだから自分がランベスへ帰ると言ったでしょう。
でも、本当はサリーを貴族社会に受け入れさせたいと思っていたんじゃないかなと。
(トレンチコートに燕尾服。本当に品があってよく似合いましたね)
一方のサリーは、自分が何をしても追いかけてくるってわかってる。
だから姿を消すとはいいつつも、どこかで追いかけ続けて欲しいと思ってて。そこにタイミングよくジョン卿が現れたという感じです。
庶民の娘から貴婦人に変わった所は、個人的には花乃まりあの方が意外性があって好きでしたけど、こういう自信があるサリーもありなのかなと思いました。
水美舞斗ジョン卿は学年とピッタリ合っていたし、最初はビルを受け入れなかったけど、次第に同じ階級の人間として扱っているような気がしました。
小桜ほのかのマリアおばさまは、もう必死。その必死さがビルの心を動かして、「出来ればおばさまに喜んで欲しい」と思わせるような人。だからおばさまにキスする時は、ちょっと泣けるんですよね。
でもこの頑固さが30年もカレシと結ばれなかった原因と言われたら納得します。
極美慎のジャッキーはとにかく可愛いのと手足が長いのがいいです。
そして変な色気がなくて宝塚的には似合っていると思いました。
そんなジャッキーに振り回される天華えまは、ぼんぼんという雰囲気をよく表現してましたし、
喜怒哀楽がはっきりしてて可愛い。
お屋敷の弁護士のひろ香祐は新しいパーチェスター像を作り上げましたよね。
全編通して、よく笑えましたし、1幕最後も長く感じませんでした。
水美舞斗と暁千星の二人燕尾はゴージャスで得をした感じ。二人ともダンスの達人なのに、こんなに踊り方が違うんだなと。
デュエットダンスは、長いリフトに驚いてしまいました。
ビルとしての暁千星の素顔が見えたところっていうのは。
ジャッキーに迫られて「僕はワルじゃない」と逃げ回るところ。育ちは悪いかもしれないけど本当は善良で素直な子っていうところ
1幕最後のティアラがやたらに合っているところ。図書館での王冠がぴったりなところ。二枚目なんだなと。
1幕最後のパーティでぶどうを食べてのアドリブ。結構上手になったなあ
それと、時々天海祐希が後ろに見えたなあ。
なんだろ。1幕最後のシーンとか、図書館のシーンできっぱり言い切る処などがちょっと似てると思いました。
とにかく、観客に退屈させない「緩急」をきちんと身に着けている事が素晴らしい。
そして、アンサンブルの人達の息がぴったりあったダンスと歌には感心しました。
舞台は主役だけのものではない。脇役の一人ひとりがしっかり仕事をしてこその出来なんだとあらためて思いました。
多分、コンビの相性は水美舞斗と舞空瞳の方がいいと思います。
互いに同じ組にいたし、慣れている感ありありだし。
デュエットダンスもしかりでしょう。
そうは言っても、暁千星の明るい姿を見るのが久しぶりで、ちょっと嬉しかったです。
なんせ、次はヒゲだし。星組来てからヒゲばっかりの暁千星。
このまま、落ち着きダンディになるのかと思っていたけど、とんでもない。いまこそ若さ弾ける王子様でした。
余談ですけど、きちんとした言葉遣いをするだけで、回りの見方が変わること。
おもてなしに必要なのは会話術であること、これが出来ないばかりに、どこかの皇后はいつまでもサリーなんですね。
英語やタイ語と違って、今の日本語は上流も下流もあまり言葉は変わりませんけど、それでも「いいですね」を「よろしいわね」って変えるだけでも違うんだなと思う今日このごろ。
ヒギンズ教授はいないけど、頑張ろう。
血が語るノーブル&初心な暁
育ちのせいか?色気が垣間見える水美
って所でしょうか?
今回の白眉はパーチェスターとマリア伯母様だと思いました。
宝塚歌劇を取り巻く情勢がナンダカナ~の今
こんな悪い人が出て来ない皆がハッピーエンドの御伽話が
上演されてて良かった~!と心から思います。
この作品自体見るのがはじめてでした。
いろんなバージョンをご覧になっておられるふぶき様の感想楽しいです。
昔井上芳雄さんビル、ジョン卿草刈正雄さんというのも
あったそうですね。
ヒギンズ教授の名前がでてましたね。
以前まー様の「マイ・フェア・レディ」を見ました。
昔、天海祐希のサヨナラ公演でしたっけ?ミィー&マイガールの千秋楽に、ジャッキーの、真琴つはさとサリーの麻乃佳世のシーンは可笑しかった。
麻乃佳世さんが受話器思い切りすっ飛ばして客席まで飛んでいって壊れました。お客さんが拾って天海祐希に渡しましたが・・・すみませんね~
「馬鹿じから!」「この鶏ガラ女」(勿論ジャッキーの真琴さん)とアドリブで罵声を浴びせ倒してましたね。
あの壊れた受話器どうしたかな?
彼女な作品では「風のシャムロック」とミィーマイが好きでした。
暁千星は何が代表作に成るか?楽しみですね。千秋楽まで声を大切に!