まず・・・彩吹真央ファンとして一言書かせて下さい
やっと・・・・やっと私のゆみこちゃんが単独二番手扱いされたーー
ああ・・ここまで何と長い道のりだった事か
そもそも「落陽のパレルモ」「アジアン・ウインズ」で真飛と同列の彼女に
ショックを受け、「ファントム」では危惧が核心に代わり涙を流し
雪に来てからはポスターに写るの写らないので心配し、「君を愛してる」
「ミロワール」では余りの扱いの悪さに倒れそうになり、「マリポサ」で浮上し
これからはゆみこ人気に火がつくぞーーー と思ったら、「ゾロ」でまた
こうも上げたり下げたりが激しいとファンは心臓によくない
っていうか、今まで単独で二番手扱いされた事あったっけ? っていう程
今回は堂々たる2番手のご様子 執着至極にございます。
(これっきりかもしれないけど)
舞台のど真ん中で歌いまくり踊りまくるゆみこちゃん…横に音月がいない
風景にほっとしたのでありました
ロシアン・ブルー
まず・・こんなに前評判が悪い作品も珍しいっていうか、実際に大劇場で
見たお友達からも「1回はいいけど2度3度はきつい」と言われました。
何がそんなに悪いんだ?と思ったら・・・・・
ドタバタコメディだけど笑えない
話がよくわからない
みんな早口で何を言ってるのかわからない
ということらしいです
だから「天使の季節」「君を愛してる」に匹敵するような作品なのか?と
思って覚悟して行ったのですが
私的にはそんなに悪い作品とは思いませんでした。
むしろ、あまりに内容が高尚で、それをコメディにしたものの、言葉のセンス
っていうか、意味そのものがわからないファンが多くて、それで結局
「つまんない」って事になったのでは?
というのも・・・舞台はロシア。
18世紀の魔女狩りで迫害された一族
ロシア革命を経て1937年に一族の末裔が登場
生き残るために魔法を使う
というお話なんですね
「魔女狩り」とはなんぞや?がわからないと、最終的に何を見ても面白く
ないんじゃないかと・・・・
そして、私達の年代には身近な「ソ連」ですが、今時の人達にはソ連の
恐ろしさは遠い昔の出来事で全く理解できないと思うんですよ
ものすごく情報・文化統制がきつく、政治的な不正や駆け引きを当たり前と
する政府と、民主主義国家からやってきた一団とが対立し、そこに深い
意味やメッセージが込められているんですけど・・・・正直、ドタバタ感は
いなめず、不明確になってしまったのは残念です
「魔女狩り」の「魔女」とは舞台上魔法使いの一族という設定
ですが、広い意味では「少数派」という事だと思うんですね
「迫害される少数民族」でもいいですし、今の日本に当てはめるなら
左派じゃない人・・・少数の保守派って事になるでしょうか。
あるいは、「人とちょっと違うものを持っている自分」に置き換えてもいいと。
彼らは生き残りをかけてあらゆる時代を生き抜いてきた
そしてこれからも・・・・という意味なんではないかと。
主人公のアルバートは下院議員でソ連でのレビュー公演を成功させ
上院へ上がり、やがては大統領に・・と狙っています。
すなわち、少数派が多数派を圧倒して生き残ろうとしているわけです
一方、ソ連側のイリーナは少数派の末裔を隠し、多数派の中に溶け込み
既存の権力を手にする事で生き残ろうとしているのです
双方とも求めるものは「権力」その果てには「迫害のない社会」というものを
目指しているのではないでしょうか
そういう、ハードなメッセージをドタバタな喜劇でカモフラージュして
重苦しい部分をあえて消しているからわかりにくくなったのではないかと。
結局、双方のもくろみはパアになるのですが、ヘンリーは
「まだまだ・・」と希望を持っているし、ソ連ではユーリが多数派へ戦いを
挑もうとする所でおわります。
「国家がおれを裏切ろうとも俺は国家を裏切らない」
これはとてもいいセリフですし、メッセージ性が強いものだと思います
扱った時代が1937年というのも絶妙な時期で・・・・この後、世界は
第二次世界大戦に陥っていく・・・つまりアルバートとイリーナは
再会するどころじゃなくなるんですけど
そういう切ないラブストーリーなんですよね。
常に「少数派」を意識している私としては、「それでも希望を持つしかないの
かなあ」と思ったりした舞台でした。
水夏希・・・アルバート。確かにカツゼツはめちゃくちゃ悪かったです
でも、コメディセンスはあるし、キャラクター的には「楽勝!」って
所ではないでしょうか?それだけに見せ場もないけど。
っていうか、もしこれが真琴つばさだったらきっと、御客をいじって
毎回爆笑させたんだろうなあと思うけど、真面目な雪組さんでは
それは不可能なのでありました。
愛原実花・・・イリーナ。娘役トップお披露目で硬くなっているであろう彼女に
ガチガチに硬い役を振るなんて、大野先生の意地悪
ダンスは確かに綺麗だし、舞台姿も堂々としているけど、
いかんせん見た目と歌が・・・ 色気も可愛げもない、とがった
女ってのはちょっと気の毒でしたねーー
彩吹真央・・・ヘンリー。大野先生、あなたもか。今や水&彩吹は二人で
ひとつ。娘役の割り込みを許さないつよーーい絆で結ばれて
いる事を証明するような執事の役で、全面的にアルバートを
助けます そこに「愛」が
で・・・一体ゆみこちゃんに何があったのか?という程に弾けて
おいでで・・・・ 決して似合ってるキャラではないのですが、
ファンとしてはいじり倒して妄想にふけり遊びたいです
音月桂・・・・グリゴリー。「君を愛してる」のゆみこちゃん状態
途中まで中々出てこないし、出てきてもなーんかすっきりしない。
今までの破格の扱いは何だったんだ?という程で、たまには
いいのかなっと
ラスト近く、軽快なタップを披露する場面があり、
見せ場としてはよかったと思いますが・・・最後の最後は・・・・
ゆみこちゃんに譲っちゃった感じ。
大月さゆ・・・ロビン。ヘンリーの妹役で、とにかく終始ヘンリー
にくっつきっぱなし。
彩吹&大月はとにかく御似合なので二人のやりとりは見てて
楽しく癒されました
正直、ヒロインより可愛らしくて歌が上手で動きがコミカル。
二番手とはいえおいしい役です。
今回は下級生に至るまで役名がつき、振りやセリフを与えているので
散漫な印象があるのだと思いますが、下級生としたら嬉しいでしょうね
蓮城まことがキザったらしく演じるのも、緒月遠麻の出番が少ないけど
インパクトのある役柄も、下駄でタップを踊った彩那音もいい味出してます。
そして、売り出し中の早霧せいなと沙央くらま 息があってていいんじゃ
ない?