よし坊のあっちこっち

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小沢の辛抱、深望、深謀

2009年10月12日 | いろいろ
その好き嫌いは別として、小沢は並みの政治家ではない。政治は選挙に勝つ事と言い切るのは、政権を取らなければ何も出来ないことを熟知している。そして、あまり世間受けしない話だが、彼は、新たな政治システムとして、英国型を目指そうとしている。新しい政治システムを自民党政権下で、論じられた事があるのか無いのか分からぬが、今までそんな話は伝わってきた事が無い。その点、小沢は、開かれた政治を究極的に目指しているように見えて、新鮮である。

自民党を割って出た後、ほんの一時期の連立政権参加を除き、野党暮らしを通じて、事を成すには選挙で勝たなきゃ何も出来ないことを見にしみて分かっていたからこそ、「政治は選挙に勝つ事」が全ての第一歩と言い切り、日本新党に端を発した細川政権のような、一瞬の風とは違う、大きなうねりを辛抱強く待っていたような気がする。当時自民党を割って出たという事は、安定的自民党の理想の無さ、言ってみればレベルの低さに早々と見切りをつけようとしたとも取れる。国家論を堂々と論ずる事の出来る政治家があまり見当たらなかったというべきか。

表と裏が魑魅魍魎の世界で交差する政治の世界で、思いを遂げようとすれば、教科書どおりにはいくまい。深慮遠謀が伴う。キレイごとで済まぬ世界だから、時にはきな臭いニオイもしないではないが、法に照らして引っ掛らないのなら、あまりギャーギャー言ってもつまらない。

それにしても、民主党政権になり、矢継ぎ早に打ち出される政策や方針をみると、小気味が良い。もちろん実現するかどうかは、これからの進め方にかかっているので、評価点をつけるわけにはいかないが、長期自民党政権の中で、何故このような当たり前のことが打ち出されなかったのかと考えると、いかに、自民党が国家を考えるというよりは、日々に捲かれた理想無き国家運営をして来たとしか言いようが無い。それは、ボンクラ社長と、老害はなはだしい会長が会社をかき回し、それを取り巻く取締役連中が、自分の安全をどう確保するのかアクセクしているのと、あまり変わりは無い。

戦後の膿を出すのには、政権4年では到底難しいのは承知だ。この政権に託された事は、とりもなおさず、国家の新しいシステム構築の基礎作りだろう。辛抱してきた小沢の、いささかの(いや、大いに、かも知れぬが)深謀を巡らせての、長年しまっていた深望の実現を見てみたいものだ。