よし坊のあっちこっち

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映画三昧 ー Like Someone in Love

2013年06月27日 | 映画
日本映画で英語のタイトル? しかも監督が外国人。なんだこれは?そして何よりよし坊を惹きつけたのは、そのタイトル"Like Someone in Love"だ。日本映画と言っていいのか、それとも外国映画か。いや、この際そんなことはどうでも良い話だ。

Like Someone in Loveは言わずと知れたジャズのスタンダード。エラおばさんの歌が好きだし、演奏ではビル・エバンスのピアノが心地よい。

キアロスタミと言う監督が日本を舞台に日本人のみで現代日本の世相の中のありきたりの風景の一片を24時間の流れの中で上手に切り取っている。デートクラブで働く女子大生、ストーカー的なボーイフレンド。そこに人生の最終コーナーに差し掛かった老人が割り込んでいく。

老人は今宵、壁に掛けた肖像画にも似た、そして亡き妻の面影もありそうな女子大生を買う。と言っても生々しい性的はけ口を求めている風だはない。そう、手作りの料理と上質なワインで、静かに語らいたいのだろう。誰かを恋しているような、少しときめいた気分で。Like someone in love。部屋にはジャジーなボーカルで”Like someone in love”のフレーズが流れる。憎い演出だ。

前半の「静」に対し、後半は一挙に「動」となる。嫌気が差しているボーイフレンドとのトラブルで老人に助けを求める女子大生。放っておけない老人。そして、その日が明ければ、三人の夫々に、又同じ日常が戻って来るに違いない。

余韻の残る作品だ。