よし坊のあっちこっち

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LGBTで味噌をつけたインディアナ

2015年04月03日 | アメリカ通信
アメリカには、西部開拓のその昔の、多様宗教を持つネイティブ・インディアンとの確執から長き論争の末生まれた「宗教の自由:Religious Freedom Act」という連邦の法律があり、それに基づいて各州は味付けされた自前の州法を持とうとしている。数日前、インディ500でも知られているインディアナ州で、特にLGBTグループや差別反対グループから非難の的になっていた、7月1日に発効する州独自のReligous Freedom Act法に知事がサインした。

法律には必ず抜け穴がある。この法律が特に注目されたのは、LGBT(Lesbian, Gay, Bysexual &Transgender 同性愛者、バイセクシュアル、性転換者達)が就職活動の際に、会社がLGBTであるという理由で拒否しても会社側は「差別法」に抵触せず、従って罰せられない、という抜け道として利用されるのではないか、との強い懸念によるものだ。

知事がサインした翌日からインディアナは大騒動になった。インディアナに本社を置く有名企業がインディアナから他州へ動く宣言をし、マイクロソフトを含む大企業が反対を表明。各種スポーツイベントの中止も顕在化した。アップルの現CEOは最近ゲイを公表したばかりだから、そのアップルも敵に回したことになる。有名なインディ500も危うくなった。カネが逃げて行くことが鮮明になった途端、泡を食った議会が修正法案を作成し、殆ど元に戻った。

何が残ったのか。今まで”好ましい州”のひとつとして評価を得ていたインディアナ州の計り知れないイメージダウンのようで、州経済の先行きを心配せざるを得なくなった。

同じような法案を審議していたジョージアを含む他の数州は、えらいこっちゃ、と審議をやめてしまった。この国は「差別」に対しては半端無く敏感であり、敏感にならねば生きていけぬ国でもある。

インディアナが大いに味噌をつけた”事件”だ。