よし坊のあっちこっち

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井の中の蛙、のアメリカ

2016年05月01日 | アメリカ通信
世界の警察を自認し、政治経済文化の様々な局面で圧倒的強さを誇るアメリカ。全てがアメリカ中心に動いているとは思いたくないのだが、大方のアメリカ人はそう思っているに違いない。極端な言い方をすれば、アメリカはただ黙って座っているだけで良い。世界中から物を売りつけに来て、必要なものを買い付けていく。主要基軸通貨にして、且つ絶対的基軸通貨と言っても過言ではないドルが日常通貨だから、為替変動も気にならず、世界の主流のメートル法もなんのその、ヤードポンドのアメリカ国内では何の役にも立たない。アメリカ人が注意を払う先はアメリカ国内だけで十分で、”井の中の蛙”たる所以がここにある。

実業界での女性の地位向上は目覚ましく、中堅管理職からトップのCEOレベルまで多くの女性が排出されていることから、アメリカにおける女性の地位は先進国の中でもトップランナーかと錯覚してしまうが、そうではないらしい。
最近、国連の人権委員会のワーキング・グループがアメリかを訪れ、「女性の権利と差別」に関する実態調査を行ったところ、世界のスタンダードから遠くかけ離れていることに驚いたという。”世界のアメリカ”がこのレベルとは、ということであろう。以下はその要点である。

1.賃金格差:欧米先進国中最大ギャップ国のひとつ。殆どが格差20%以下に対し、アメ
  リカは23%(因みに日本26%、韓国37%)。
2.妊娠中絶:未だに妊娠中絶を”人殺し”と嫌悪しているのはアメリカぐらいで、”妊娠
  出産母体保護に関する女性の権利と自由”基準の中で中絶を是とする世界の潮流から
  大きく外れている。
3.働く女性の為の出産育児有給休暇:アメリカは有給で休暇を与えることが義務付け
  られていない唯一の国である。人権に対して人一倍うるさい国が、一大事業とも言える
  女性の出産に関しては冷たい国と言える。
4.会社施設に託児所が圧倒的に少ない:外部の託児所がアメリカのスタンダードだろう
  が、就労先の託児施設が今や世界の潮流。

世界基準から大きく外れているアメリカの実態だが、ワーキング・グループが最も驚いた問題点は、アメリカの男女格差が世界に後れを取っている実態を、アメリカの女性自身が全く自覚をしていないことにある、と報告を締めくくっている。

アメリカは常にNo.1と思い込み、外に目を向けないアメリカ人。正に、”井の中の蛙大海を知らず”である。