
鮟鱇(アンコウ)

【語源】

アンコウの語源は「暗愚魚(あんぐうお)」と言う説。

赤魚の転化だという説。ヒキガエルを意味する千葉県の方言、
「アンゴウ」に由来するという説など様々ある。

ちなみに英名は「フィッシングトード」。
訳すと釣りをするヒキガエル・・・・であります。




【旬】

旬は冬。グロテスクな姿からは想像できないが、美味しい魚。

「東のアンコウ、西のフグ」と言われ、東日本を代表する冬の
味覚です。

「アンコウは梅が咲くまで」と言われ真冬が美味。





【うんちく】

アンコウはその姿・習性から、様々な隠語に用いられます。

腹の出た力士の事を「アンコ型」と呼ぶのは、格好が似てるから。

仕事の声がかかるのを待っている日雇い労働者を「アンコウ」と
呼ぶのは、餌の小魚をじっと待つ鮟鱇の習性から・・・。

「鮟鱇武士(あんこうぶし)」とは、大口をたたくが、あまり動か
ず、不精者の武士を相したもの。

いずれにしてもあまり良いイメージでは使われないようです。

アンコウの種類は日本周辺海域で、60~70種類生息しています。

しかし、この中で食用として流通しているのは、3種類。
「アンコウ」、「キアンコウ」、「ミドリフサアンコウ」です。

美味なのはアンコウとキアンコウ。ミドリフサアンコウは
体長30㌢ほどと、小ぶりな為、味りん干しなどの原料になります。







【七つ道具】

アンコウは捨てるところがほとんどなく、食べつくせます。

有名な吊るし切りによって、七つの部位に分ける事ができます。
肝(肝臓)・胃袋(水袋)・皮・ヒレ・卵巣(ヌノ)・身(トモ)
・エラの七つです。

ただし、ほお肉(ヤナギ)を七つ道具に加える事もあります。

その場合、エラを数えないとか、ヒレを数えないとか・・・!
ややこしいですね~!




【ブランド・産地】

ブランド化までは行かないですが、北茨城市平潟漁港であがるアン
コウは最高とされています。

また、北海道余市のアンコウはブランド化に向け動き出しています。
余市産は甘みのある身と、フォアグラ以上と言われる肝が魅力。

水温が低いこの地域であがるアンコウは、肝にたっぷりと脂を蓄え、
身・肝・骨などから極上のダシがでます。

10㌔を越すものは特に美味しいく高値がつきます。




【産地ならではの漁師料理】

アンコウ料理の代表は鍋。また、肝は非常に美味で、蒸しあげて
色々な料理に使われています。

漁師料理はアンコウの「ドブ汁」です。

作り方は豪快で簡単。
まず、肝を土鍋でから煎りし、次に大根を入れ同じく煎ります。
アンコウの皮とアラを入れ、大根が煮えたら、7つ道具のその他を
入れます。最後に味噌で味を調え出来上がり。

アンコウと大根から出る水分だけで作るのが本格派だとか・・・。

また、鮮度が良いものは、アンコウが丸呑みしたイカや、小魚も
胃の中から取り出し鍋に入れて食べます。なんとも豪快で美味し
そう。

また、最後の雑炊が最高ですね~!



【栄養と効果・健康】

超低エネルギーの魚。ダイエット食に最適です。

アンコウの水分含有率は85%以上。これが水を使わないドブ汁を
可能にしています。

脂肪分もほとんど含んでいませんが、ミネラル・ビタミンも少な
く、栄養価の低い魚といえます。

しかし、コレステロールは多め・・・・!

但し、肝は栄養の宝庫。

貧血を予防する鉄分、亜鉛、銅などを大量に含みます。

また、ビタミンでは、目、皮膚、粘膜を健康に保ち、ガンや老化を
予防するビタミンAを桁違いに多く含んでいます。

骨を丈夫にするビタミンD、細胞の若さを保つビタミンEも極めて
多く含んでおり、最高の美容食と言えます。
























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