世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

鮟鱇(アンコウ)

2017年11月29日 22時22分07秒 | Weblog


鮟鱇(アンコウ)



【語源】
アンコウの語源は「暗愚魚(あんぐうお)」と言う説。
赤魚の転化だという説。ヒキガエルを意味する千葉県の方言、
「アンゴウ」に由来するという説など様々ある。

ちなみに英名は「フィッシングトード」。
訳すと釣りをするヒキガエル・・・・であります。


      アンキモの創作料理

【旬】
旬は冬。グロテスクな姿からは想像できないが、美味しい魚。
「東のアンコウ、西のフグ」と言われ、東日本を代表する冬の
味覚です。
「アンコウは梅が咲くまで」と言われ真冬が美味。








        あん肝の煮付け


【うんちく】
アンコウはその姿・習性から、様々な隠語に用いられます。
腹の出た力士の事を「アンコ型」と呼ぶのは、格好が似てるから。
仕事の声がかかるのを待っている日雇い労働者を「アンコウ」と
呼ぶのは、餌の小魚をじっと待つ鮟鱇の習性から・・・。

「鮟鱇武士(あんこうぶし)」とは、大口をたたくが、あまり動か
ず、不精者の武士を相したもの。
いずれにしてもあまり良いイメージでは使われないようです。

アンコウの種類は日本周辺海域で、60~70種類生息しています。
しかし、この中で食用として流通しているのは、3種類。
「アンコウ」、「キアンコウ」、「ミドリフサアンコウ」です。
美味なのはアンコウとキアンコウ。ミドリフサアンコウは
体長30㌢ほどと、小ぶりな為、味りん干しなどの原料になります。


         アンコウの唐揚げ



     アンコウの肝

【七つ道具】
アンコウは捨てるところがほとんどなく、食べつくせます。
有名な吊るし切りによって、七つの部位に分ける事ができます。

肝(肝臓)・胃袋(水袋)・皮・ヒレ・卵巣(ヌノ)・身(トモ)
・エラの七つです。
ただし、ほお肉(ヤナギ)を七つ道具に加える事もあります。
その場合、エラを数えないとか、ヒレを数えないとか・・・!
ややこしいですね~!


     蒸しアンキモのポン酢醤油

【ブランド・産地】
ブランド化までは行かないですが、北茨城市平潟漁港であがるアン
コウは最高とされています。

また、北海道余市のアンコウはブランド化に向け動き出しています。
余市産は甘みのある身と、フォアグラ以上と言われる肝が魅力。

水温が低いこの地域であがるアンコウは、肝にたっぷりと脂を蓄え、
身・肝・骨などから極上のダシがでます。

10㌔を越すものは特に美味しいく高値がつきます。





      アンコウのどぶ汁

【産地ならではの漁師料理】
アンコウ料理の代表は鍋。また、肝は非常に美味で、蒸しあげて
色々な料理に使われています。

漁師料理はアンコウの「ドブ汁」です。
作り方は豪快で簡単。
まず、肝を土鍋でから煎りし、次に大根を入れ同じく煎ります。
アンコウの皮とアラを入れ、大根が煮えたら、7つ道具のその他を
入れます。最後に味噌で味を調え出来上がり。
アンコウと大根から出る水分だけで作るのが本格派だとか・・・。

また、鮮度が良いものは、アンコウが丸呑みしたイカや、小魚も
胃の中から取り出し鍋に入れて食べます。なんとも豪快で美味し
そう。
また、最後の雑炊が最高ですね~!






【栄養と効果・健康】
超低エネルギーの魚。ダイエット食に最適です。
アンコウの水分含有率は85%以上。これが水を使わないドブ汁を
可能にしています。
脂肪分もほとんど含んでいませんが、ミネラル・ビタミンも少な
く、栄養価の低い魚といえます。



しかし、コレステロールは多め・・・・!

但し、肝は栄養の宝庫。
貧血を予防する鉄分、亜鉛、銅などを大量に含みます。
また、ビタミンでは、目、皮膚、粘膜を健康に保ち、ガンや老化を
予防するビタミンAを桁違いに多く含んでいます。

骨を丈夫にするビタミンD、細胞の若さを保つビタミンEも極めて
多く含んでおり、最高の美容食と言えます。


















         醤油仕立てのあんこう鍋








       アンコウの鍋とアン肝を溶いただし汁



       あんこう鍋~味噌ベースあん肝溶き



        あんこう鍋の後の雑炊






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布袋魚(ホテイウオ)・ゴッコ

2017年11月29日 07時26分22秒 | Weblog

布袋魚(ホテイウオ)・ゴッコ

【語源】
呼んで字のごとく~七福神の布袋様に似ているからです。
プックリと丸くふくれた体形を、ふくよかな布袋様に見立てた
と言うのが定説。

北海道では「ゴッコ」と呼びますが、こちらの方が名が通っている
様です。




     ゴッコの卵とヤリイカの煮物

【旬】
この「ゴッコ」は卵が美味しい。
産卵期は春になりますので、腹にたっぷり卵を持つ、冬が旬と
言えます。


     上・・・表側、下・・・裏側

【うんちく】
カサゴ目ダンゴウオ科ホテイウオ属の魚。

見た目のインパクトは、かなりのもの。オタマジャクシを大きく
したような風貌です。最大の特徴は腹に大きな吸盤を持っている事。

これは腹ビレが変化したものと言われています。

    ゴッコ汁

春になると、岩礁域の岩のくぼみや、海藻に数万個の卵を産み
つけます。そして、その卵を雄が保護し 40日前後で孵化します。
魚には珍しい~よい父親を演じる魚なんですね~

孵化した小魚は沖合い100m以浅で漂流し満3歳で成熟、接岸します。



【ブランド・産地】
ブランド化はされていないようです。

相模湾以北、オホーツク海と若狭湾などで漁獲されます。
主な産地は北海道。定置網、刺網で漁獲されます。

     ゴッコの肝煮





         ゴッコ汁

【産地ならではの漁師料理】
食べ方は、鍋、味噌汁、唐揚げなどが美味しいですが・・・・・
マグロ君の一押しは、北海道の郷土料理でもある「ゴッコ汁」。

昆布のだし汁を温め、切った身、水洗いしたゴッコの卵・肝を入れ、
しょうゆ、酒、みりんで味を調えます。
アクを丁寧に取り、豆腐、ネギ、大根、岩のりなどを加えて
出来上がり。

鮟鱇(アンコウ)に似たゼラチン質の身と何と言っても、この卵と
胆が美味い。

作り方のコツを産地の方にうかがったところ・・・・・
「卵を持った雌は身が少ないよ。だから雄・雌一匹ずつ使って作る
のが通の作り方じゃ~」・・・・と教えてくれました!


【ゴッコの捌き方】
魚を捌くのに必要なもの・・・・・・包丁です。
しかし、このゴッコを捌くのに、もう一つ重要なものが・・・・
それは~タップリの熱湯なんですよ~!

ぬめりの強いこの魚は、まず熱湯をぶっ掛けヌメリを取る事から
はじめます。
その後、裏の吸盤の下から包丁を入れ、腹を裂き、卵・胆、内臓を
取り出します。
最後に背骨に付いた血合いを丁寧に取り除き、もう一度 熱湯を
ぶっ掛けヌメリを丁寧にとります。
後は簡単・・・ぶつ切りに~!

ちなみに吸盤も食べれますよ~珍味ですね。


     ゴッコ汁
【栄養と効果・健康】
たんぱくな白身ですので、DHAやEPAは期待できないと思われます。
しかし、ゼラチン質が多いので、かなりのコラーゲンは期待でき
そうです。

お肌ツルツル!女性にお勧めですね~!












         ゴッコの唐揚げ







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