ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

暑さは辛いが、恵でもある

2019年08月05日 | 日記

盛りのムクゲ

 いよいよ夏本番。連日、35°C近い猛暑の連続である。

 この暑さ、日本だけではなく、北半球に共通しているようで、パリでは42°を記録したとメディア上が大騒ぎになっていた。この暑さ、いわゆる温暖化現象の一環であって、だからCO2を規制すべきだと、今ではスエーデンの女子高校生が授業をサボって訴え続けて有名になっている。

 排出ガスが温暖化をもたらす原因のひとつではあろうが、それが全ててあるかのように車から、飛行機、発電所などからのNOxを悪玉にし、一部のヨーロッパ人の中には、車に乗らない運動、飛行機に乗らない運動など、しているのは、暑さで頭がやられた人としか思えない。
 歳をとると暑さは身に堪えるが、だからといって、暑さを悪玉のようにいうのは間違いである。暑さは作物の恵の素でもある。
 戦後の日本で、私の体験でいうと、寒い夏の時期が2回あった。1回目は昭和27,8年頃。夏の最高気温が30°を越えることがなかった。当時、小学生であった私は、夏休み日記帳に、今日は暑かった、32°になったと書き込んだところ、後日、先生から32°というのはおかしい、23°の間違いであろうと、訂正されたことがある。その頃、稲作農家ではイモチ病が大発生し、秋の収穫時には供出米が出せない、などと大騒ぎをしていたことがある。今の人には理解できまいが、供出米というのは、当時の食糧管理制度のなかで、国に納入する米が反あたりで割り当てが掛けられていたのである。
 2回目は昭和60年ごろだったか。やはり寒さのために米の収穫量が落ち、国産米だけでは需要に追いつかないと、タイなどから長粒米を輸入。一定量を買うと、その何割かは外米で補填するように法令化されたことがあった。
 このように寒さは稲作には大敵なのだが、温暖化がすすんで今では北海道の米がブランド化されるようになった。なんと喜ばしい事ではないか。
 暑さは動植物には大歓迎で、今年はコメだけでなく、果物など大豊作。それを食べる野生の動物にも恩恵を与えているはずである。陸上だけではない。水中でも暖かさを好む魚がおおい。例えば、浜辺に工場ができ、排水のため水温が上昇すると、一帯に魚が集まるようのなる。これは水温の上昇によって、プランクトンが多く発生するため。
 関連がないかもしれないが、古代人が生活を維持できたのも、地球の温暖化が影響したことが証明されている。日本でいうと縄文人。彼の人の生活を支えたのは、地球の温暖化である。例えば雪深い秋田県の三代丸山古墳は、そこで縄文人が栄えたことの痕跡を残している。
 寒さを防ぐには膨大な熱エネルギーを必要とする。周辺の木々は伐採され、燃料となる。その結果が敦煌のような古代都市の消滅であることを知れば、温暖化対策などと、過剰な動向に惑わされる愚かさに気づけよう。【彬】

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