ユウゲショウ
最近、気になる話し言葉がある。
「だいじょうぶ」という言い回し。
志村けんが「だいじょうぶだ~」と言っていた言い回しが定着しているのか、あちこちで若い人のこの発声を聞く。
たとえば、
コンビニのレジで、袋が必要ですか、と聞かれると「だいじょうぶです」と答える。またお弁当を買い、お箸はいりますか、暖めますかと聞かれると「だいじょうぶです」という。
飲食店で「お水さしますか」と聞かれると「だいじょうぶ」という。
だいじょうぶ、が氾濫しているのである。
私だったら、コンビニで袋が必要ですか、と尋ねられれば「いらない」と答える。
「だいじょうぶ」という言葉は、相手を慮って、だいじょうぶか?と尋ねたり、反対に他者からの心遣いに心配に及ばないという意味で使う。
いつから「だいじょうぶ」があらぬところに氾濫するようになったのか。言葉は生き物で、日々変化しているからという説明があるが、誤用はさけるべきである。
漢字の読みについても同様に感じることがある。漢音と呉音の区別が曖昧になっていて、重複を「じゅうふく」と読み、胸を張っている人が多くなっているが、私には異様に聞こえる。昔、呉智英さんが「須く」を「すべてに」という意味で使うライターを厳しく叱責していたことがあるが、用語の誤った使い方を時代の変化に理由づけることは避けたいものである。【彬】