カロライナ・ジャスミン
円安がすすんでいる。経済問題には不案内だが、この為替レートの急激な下落は、日本経済になにか大きな変革を要請しているのではないだろうか。
身近なところでは、物価が気になる。
私にはラーメンの値段が問題だ。豚骨ラーメンが一杯 1,000円という。5~6年前だと、700円くらい。もっと以前、1900年代の末頃と500円前後だっと思う。もちろん、ラーメンの質も向上し、上物のチャーシューとか、品質がよくなっている。その結果、庶民の食べ物だったラーメンが、気軽に食べるものではなくなった感がする。小遣いの範囲を超えるのである。
物価の感覚は人によって違うだろう。牛丼に値段の違和感を覚える人もいるに違いない。
昔、国会の論戦などでは、大根の値段の上がり、下がりを例えに、庶民の生活の苦しさを象徴させていた時代があった。今は生鮮類は安定しているので、スーパー価格などを例示することは無くなった。しかし、生活実感としての値段の変化に対する感覚は、国家経済を判断する極めて大切な指標だと思う。
反面、今は、円安がとめどない。1ドル=153円だ。ドルを使う外国人観光客にとっては、日本は天国にちがいない。スキー客で賑わった北海道では、外国人向けのラーメンが、一杯、2~3000円だという。一泊10万円もするホテルも予約で満杯だそうだ。爆買いする外国人には消費税免除の特典もつく。
物価の感覚は大切である。ラーメン、牛丼の値段は、日本経済の問題点を指し示しているに違いない。観光立国などとのたまわっていた政治家は、この円安をなんと思うのか。【彬】