絵=入澤光世 山桜、染井吉野よりも好きです。和紙に書きました。
今年は天候に恵まれ花見には絶好の雰囲気になった。ネット上では、水辺を覆う満開の井の頭公園が、まるで天国のようだとツイートするアカウントがあったほどだ。
桜は寿命が短いといわれている。一説には60年とか。だとすると、靖国神社や皇居は、すでに衰退期に入ったのかもしれない。それに対し、今年注目だったのは、目黒川沿い。東横線の車窓からは、花見客でごったがえす様子が見て取れた。
花が終わるといよいよ野外のシーズンに入る。農村では田おこしが始まる。起こした土壌の中から、ドジョウが這い出してきて、川では釣師待望のノッコミとなる。
そうした季節の中、都会では女性の顔が艶めいてくる。冬のすすけた感じが、急に瑞々しくなる。化粧のせいばかりではないはずだ。そんな変化が私には嬉しい。 【彬】