3月31日の「ヘッセで青春を取り戻す」の続きです。
この度、ヘッセの、Unterm Rad 「車輪の下」を読み終わりました。夏前には、読了を予定してましたが、かなり難しいドイツ語で時間がかかりました。豊富な語彙、ドイツ語独特というか、詩人ヘッセ独特の表現があり、おおいに汗をかきました。
この作品は、1906年、ヘッセが29歳の発表。内容は、ヘッセ自身の体験を踏襲しているという。若いヘッセがそうとう気合をいれ、書き上げたと、感じる。そして共感するところも多い。僕自身、大学でドイツ語を勉強し、挑戦したが歯が立たず、長い年月を経てようやく実現したもの。この夏は、100年以上前のドイツの田舎町にタイムスリップした気分になり、楽しかった、
ストーリーは、大変優秀な少年、ハンスが、難関の神学校に進むが、様々な矛盾に悩み故郷に戻る。そして、鉄工所の、職人見習工として働き出し少し喜びも見い出す。
ある日曜日、職人仲間と、初めて居酒屋にくりだす。そこで楽しみ、飲みすぎた状態で、一人で帰路に就く。そして、何らかの原因で、川にはまり命を落とす。
ハンスが初めて居酒屋にはいり、次のような印象を語る。
まずドイツ語で、
Es war doch nicht so ubel, so seinen fidelen Sonntag zu haben und Wirtstish zu sitzen wie einer, der es darf und verdient hat, und mit Leuten, die das Leben und das Lustigsein loshatten.Es war schon, mitzulacnhen und bisweilen selber einen Witz zu risukieren, es war schon mannlich, nach dem austrinken sein Glas mit Nachdruck auf den Tisch zu knallen und sorglos zu rufen ’Noch eins,Fraulein,!”,.
次に僕の日本語、
このよう愉快な日曜日があり、それが許される人のように、そして、人生を持ち、愉快にやることができる人と一緒に居酒屋のテーブルに座るのは悪くなかった。ともに笑い、時には、思い切って自分から、洒落でもとばすのは、いいものだ。杯を飲み干し、力を込めて、テーブルをトントンたたき、きままに、「ねえさん、もう一杯!」などと叫ぶのも男らしくいいものだった。
2024年8月20日 岩下賢治