本の感想文(?)です。
お話のラストに触れてしまうので、、これから本を読もうとしている方は、下記稚拙な文章を読まないでいただくよう・・お願いいたします。
では。
いきます。
「四日間の奇蹟」浅倉卓弥作
第一回このミステリーがすごい!大賞受賞作品 宝島社文庫
ミステリー・・・というよりは、ファンタジー。一種宗教的?
とても静謐な印象を受ける作品でした。
左手薬指を失った天才ピアニスト如月敬輔と、その失う原因になった、障害を持つ少女楠本千織。そして慰問先で出会う岩村真理子。基本はこの3人の人生を描き、それぞれが抱えている苦しみについて、出会えたことで「許すこと」を知っていくお話。そして、真理子は心ならずも(でも心の平安を得て)逝き、敬輔は本当の意味でのピアノを知る。千織は、なくしていたものを少しずつ取り戻し始める。そして明日がくる。。。
こんな端折った書き方してしまいましたが、なんというか、私はこう思いました。
はじめのうち、淡々とした物語の運びで、「あれ?ちょっとミステリーっていうけれど、雰囲気が違うな」と感じていました。敬輔と千織ちゃんの昔を丁寧にたどっているのみで、「奇跡」は起こらない。何だろうなあーと思いながら、でも飽きることもなく、どんどんお話のなかに引き込まれている感覚がありました。
そして、真理子と出会い、ちいさな「あれ?」ということがあちこちに散りばめられて、とても悲しい「奇跡」が起こる。
悲しくて苦しくて、その「奇跡」が起こったあとは、もう真理子さんから目が離せず、鳥肌を立てて、ある意味恐怖も感じつつラストの美しい音色まで一気に読んでしまいました。
うーん。いろいろな意味ですごい作品です。たとえば、千織が弾くピアノ曲。クラシックを禄に知らない私が、頭の奥にメロディーを思い浮かべ、ピアノの旋律と指の動きをどこかで想像していました。そして、実際に聞きたくなってしまいました。千織の弾くピアノ。敬輔の弾くピアノ。
そのほか、中心にいる3人以外の人たちもきちんとした描写がされていて、どこをとってもとても自然な世界。違和感がなくて不意にそこにこの物語に出てくる人たちが生きていそうな感じ。名前を持たない人たちもきちんとそこで生きているのです。
なんだかだらだら綴ってしまいましたが、私がやはり一番気になってひきつけられたのは、「岩村真理子さん」の人生とその終わりでした。
どうして彼女がこうであらねばならなかったのか。ひとつの答えは一応でてはいますが、いまだ、気になって私の中にあります。
この作品。どうして「ミステリー」なんでしょう。
お話のラストに触れてしまうので、、これから本を読もうとしている方は、下記稚拙な文章を読まないでいただくよう・・お願いいたします。

では。
いきます。
「四日間の奇蹟」浅倉卓弥作
第一回このミステリーがすごい!大賞受賞作品 宝島社文庫
ミステリー・・・というよりは、ファンタジー。一種宗教的?
とても静謐な印象を受ける作品でした。
左手薬指を失った天才ピアニスト如月敬輔と、その失う原因になった、障害を持つ少女楠本千織。そして慰問先で出会う岩村真理子。基本はこの3人の人生を描き、それぞれが抱えている苦しみについて、出会えたことで「許すこと」を知っていくお話。そして、真理子は心ならずも(でも心の平安を得て)逝き、敬輔は本当の意味でのピアノを知る。千織は、なくしていたものを少しずつ取り戻し始める。そして明日がくる。。。
こんな端折った書き方してしまいましたが、なんというか、私はこう思いました。
はじめのうち、淡々とした物語の運びで、「あれ?ちょっとミステリーっていうけれど、雰囲気が違うな」と感じていました。敬輔と千織ちゃんの昔を丁寧にたどっているのみで、「奇跡」は起こらない。何だろうなあーと思いながら、でも飽きることもなく、どんどんお話のなかに引き込まれている感覚がありました。
そして、真理子と出会い、ちいさな「あれ?」ということがあちこちに散りばめられて、とても悲しい「奇跡」が起こる。
悲しくて苦しくて、その「奇跡」が起こったあとは、もう真理子さんから目が離せず、鳥肌を立てて、ある意味恐怖も感じつつラストの美しい音色まで一気に読んでしまいました。
うーん。いろいろな意味ですごい作品です。たとえば、千織が弾くピアノ曲。クラシックを禄に知らない私が、頭の奥にメロディーを思い浮かべ、ピアノの旋律と指の動きをどこかで想像していました。そして、実際に聞きたくなってしまいました。千織の弾くピアノ。敬輔の弾くピアノ。
そのほか、中心にいる3人以外の人たちもきちんとした描写がされていて、どこをとってもとても自然な世界。違和感がなくて不意にそこにこの物語に出てくる人たちが生きていそうな感じ。名前を持たない人たちもきちんとそこで生きているのです。
なんだかだらだら綴ってしまいましたが、私がやはり一番気になってひきつけられたのは、「岩村真理子さん」の人生とその終わりでした。
どうして彼女がこうであらねばならなかったのか。ひとつの答えは一応でてはいますが、いまだ、気になって私の中にあります。
この作品。どうして「ミステリー」なんでしょう。