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「卒業-雪月花殺人ゲーム」「眠りの森」

2005年07月11日 18時20分43秒 | ★★東野圭吾
東野圭吾 著 講談社文庫。

もしかしてネタバレかもしれない。ので、これからこの2作品を読みたい人は以下は読まないでくださいね。



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加賀恭一郎に恋をした。
多分、そんな読み方をしたんだとおもう。気持ちの整理がつかず、次の本に集中できない。

東野先生の作品はまだまだ入門したばかり。入り口をちょこっと入った程度。とにかく作品が多いので、とりあえず講談社文庫刊行のものを順に読んでみようと今まで手に取ってきた。
その中で。
「卒業」は放課後に次ぐ作品。高校生のときに茶道部で知り合い、同じ大学に進んだ加賀恭一郎、沙都子、波香、藤堂正彦、祥子、若生、華江。この中に殺される側と殺した者がいて、それを明らかにするのが、父親が刑事で、それに強く反発をしている恭一郎。
「眠りの森」は、その 恭一郎が紆余曲折(?)の末、刑事になってかかわったバレエ団の殺人事件の話。
それぞれ、話もさすがにうまいし、すごくおもしろかった。そもそも、「眠りの森」は「加賀恭一郎」という名前に反応してひょいっと購入してきたものだし。
謎解きよりも登場人物に視点を置いて読んでしまう私には、同じ人が出てくる作品っていうのは、すごく読みやすいし感情移入もしやすいのだ。

で、この「眠りの森」を読み終えたとき、ひどく動揺している自分がいて。
単純に刑事が容疑者を好きになってしまったってこともそうなんだけれど、この加賀恭一郎が魅力的なのだ。大学生のくせに、いきなりプロポーズしてしまったり、殺人か正当防衛かの捜査の最中に気になる女性を見つけてしまったりする普通の男かと思うと、剣道は全日本に通用する腕前で、鋭い推理力や観察力もあったりするいかにも推理物の主人公的実力の持ち主。刑事物のこういうのに弱いんだな。私は。

東野さんはシリーズっぽいものは書いているのだろうか。作品のあらすじを本屋さんで見る限り、この2冊以外に加賀恭一郎が出てくる作品は講談社文庫ではなさそうなんだけれど。
ああ、気になる。彼は彼女と一緒になれるのだろうか。しかし、明らかに彼女は殺人を犯してしまっており(不運なといえるのならば、とても不運が重なった殺人だけれど)、そういう人と警察官は一緒になってはいけないようなことを、以前どこかで聞いたような覚えもあり・・・
ま、余計なお世話ではあるのだか。

久々に登場人物に恋をしつつ読んでしまった私。
気持ちの整理に書くつもりのなかった感想文を書いてみた。(推理小説って種明かししちゃうから感想ってだめでしょ。ねえ?)

ちなみに、次に手に取っているのは「観覧車」という本。これは解説と帯が新井素子さんだ~と手に入れたものだったりする。またまた探偵物らしい。
その次には、そろそろ届くであろう梨木さんのエッセイが待ってるから。気持ち切り替えて読まなくちゃ~(って、別に誰にも義務があるわけじゃないんだけどね。)