『陰陽師-龍笛ノ巻』 夢枕 獏著 文春文庫
阿部晴明。平安時代の有名な陰陽師。物語。若き陰陽師、阿部晴明と笛の名手、源博雅が主役のお話。とても魅力的な平安の世の闇や不思議の世界を描いています。
この本に最初に興味をもったのは、数年前にNHKで放映されたドラマでした。そう。スマップの稲垣吾郎くんが阿部晴明役をやったあれです。(その後、映画にもなりましたっけ。そっちは、、誰が演じたっけ?ちょっと度忘れ。。)今やっている大河ドラマ『義経』みたいに、初めはまったく期待せず(ごめんなさい
いま、義経すっごくおもしろいです。滝沢くん、きれいすぎてファンにはなれないけど、すっかり見直してしまってます。。)ただ、陰陽師ということに惹かれてみたのですが、気が付いたらハマッテました。で、原作?と思ったら、夢枕獏先生じゃあないですか。名前は存じておりました。確か伝奇の部類に属する作品とか書いてなかったっけ?天野喜孝さんの表紙でちょっと怖そうなお話書いてる人だよな~と。作品を拝読したことはなかったのですが。
で、まず図書館でこの「陰陽師」を借りてきました。
短編が何本か入っているもの。それから、「生成姫」のように一冊でひとつのお話になっているもの。も、すっかり魅せられてしまいました。『呪』というものに。
もともと、こういう「世界」が好きです。この世界に確かにあるけれど、人の理解できる範囲ではないところのものたち。鬼とか龍とか、、なんていうか目に見えそうで見えないけれど、確かにあるよと思えるもの。実態があるもの。八百万の神のような日本の古くからの考え方とか、、
んー。うまくいえませんが、小泉八雲さんのお話は苦手。あっちの世界は怖くて近寄れないんですが、こっちの世界は大丈夫なの。。。って、わかっていただけるかな。。。
っと。そう。陰陽師。
どれがどう、って感想は述べることができませんが、毎回、私がとても気に入っているのが、晴明と博雅が、土御門小路にある晴明の屋敷で、様々な薬草や花々のさく庭の前の簀子に座り、酒を飲んでいる場面。毎回そこからお話が始まるのですが、その描写がいい。ゆったりとした白い狩衣をまとった晴明と、たとえば庭にほそほそと天から落ちてくる糸の様に細い雨を見ながら酒を酌み交わす博雅。なんというか、情景が浮かび思わず毎回微笑してしまう。そんな二人の様子。
きっとこころがくつろぐってことなんだろう。博雅の前での晴明は。
その後は、首が人を喰らったり、蛇が身体の中から出てきたり、まあまあ想像すると大変なことになりそうな、そんな内容になっていくけれど、それもまた、よし。
その前の一時。ここがくつろげる場所っていう、そんな場面に惹かれて、またまた次のお話、次のお話、と読み進めてしまいます。
平安京の、闇。
阿部晴明の案内で、私もまたゆるゆると、いきましょう。
「ゆくか?」
「む」
「どうだ?」
「むむむ」
「ゆこう」
「ゆこう」
そういうことになった。 と。
阿部晴明。平安時代の有名な陰陽師。物語。若き陰陽師、阿部晴明と笛の名手、源博雅が主役のお話。とても魅力的な平安の世の闇や不思議の世界を描いています。
この本に最初に興味をもったのは、数年前にNHKで放映されたドラマでした。そう。スマップの稲垣吾郎くんが阿部晴明役をやったあれです。(その後、映画にもなりましたっけ。そっちは、、誰が演じたっけ?ちょっと度忘れ。。)今やっている大河ドラマ『義経』みたいに、初めはまったく期待せず(ごめんなさい

で、まず図書館でこの「陰陽師」を借りてきました。
短編が何本か入っているもの。それから、「生成姫」のように一冊でひとつのお話になっているもの。も、すっかり魅せられてしまいました。『呪』というものに。
もともと、こういう「世界」が好きです。この世界に確かにあるけれど、人の理解できる範囲ではないところのものたち。鬼とか龍とか、、なんていうか目に見えそうで見えないけれど、確かにあるよと思えるもの。実態があるもの。八百万の神のような日本の古くからの考え方とか、、
んー。うまくいえませんが、小泉八雲さんのお話は苦手。あっちの世界は怖くて近寄れないんですが、こっちの世界は大丈夫なの。。。って、わかっていただけるかな。。。
っと。そう。陰陽師。
どれがどう、って感想は述べることができませんが、毎回、私がとても気に入っているのが、晴明と博雅が、土御門小路にある晴明の屋敷で、様々な薬草や花々のさく庭の前の簀子に座り、酒を飲んでいる場面。毎回そこからお話が始まるのですが、その描写がいい。ゆったりとした白い狩衣をまとった晴明と、たとえば庭にほそほそと天から落ちてくる糸の様に細い雨を見ながら酒を酌み交わす博雅。なんというか、情景が浮かび思わず毎回微笑してしまう。そんな二人の様子。
きっとこころがくつろぐってことなんだろう。博雅の前での晴明は。
その後は、首が人を喰らったり、蛇が身体の中から出てきたり、まあまあ想像すると大変なことになりそうな、そんな内容になっていくけれど、それもまた、よし。
その前の一時。ここがくつろげる場所っていう、そんな場面に惹かれて、またまた次のお話、次のお話、と読み進めてしまいます。
平安京の、闇。
阿部晴明の案内で、私もまたゆるゆると、いきましょう。
「ゆくか?」
「む」
「どうだ?」
「むむむ」
「ゆこう」
「ゆこう」
そういうことになった。 と。