乙一 著 角川書店。
短編集。あとがきによると、ライトノベルズ(角川スニーカー文庫)に以前収録されたものの、再編集本のようです。
この、あとがきに私は苦笑してしまいました。
ライトノベルズ。そうか。業界では「小説」としてジャンルを認められているわけではないんですね?
おもしろいけどねぇ。あっさり読めるし挿絵で楽しめるし・・・
マンガ本と小説の間。橋渡しの役割は間違いなくできていると思うのですが。。。?
『ミステリやSFやノンフィクションなど、すべてのジャンルを無差別に読むと自負している人でさえ、ライトノベルだけは読書の対象から除外していたりする』・・・あとがきより抜粋・・・
と、乙一さんおっしゃってます。
それは、、、多分に、あの「きゃぴきゃぴの表紙」の影響もあるかと。。
ロマンスグレーのすてきな紳士がかの本を手にしたら・・・って、勝手な想像は置いておいて、大人が手に取るのにいささか躊躇する見た目であることは確かでしょうね。(私は全く平気なんですが・・・/^^;)
さて。中身です。
先日、あまりの恐怖に引き気味になった乙一さん
その話を貸してくれた友人にしましたら、次に運んで来てくれたのがこの作品でした。「こっちなら大丈夫」ってことかな~(笑)
とても気に入った作品は、
「Calling You」と、「しあわせは子猫のかたち」
「Calling You」
人との付き合いが上手くできない高校生の少女が、頭の中に「想像上の携帯電話」を作り出し、ある日突然、そこに実際に1つ上の少年から電話がかかってくる。彼も頭の中に携帯電話を持っていて、そこからめちゃくちゃに番号を回したら彼女の携帯につながったとのこと。それを最初は信じられなかった彼女が、自分でもめちゃくちゃな番号を頭の中で掛けてみると、つながった相手は大人の女性。
そしてはじまる、悲しい切ない物語。
「しあわせは子猫のかたち」
相手とうまく調子をあわせることが出来ず、人との接し方に悩んで悩んで悩みつかれ、誰も知らない土地に行って極力人と関わらずに生きていこうと決め、大学進学を期に、家を出て一人暮らしを始めた彼。その暮らし始めた家に、白い子猫とそして少し前に強盗に殺された彼女がいた。殺された・・そう。彼女はその気配しか感じられず、実際に見ることも触れることも出来ないのだが、確実にその家にいて、知らず知らずの間に、孤独を好む彼の心を変えていく。
そして、彼女の殺された理由を彼は見つけることになる・・・
この2作品。ぼろぼろ涙が流れちゃって止まらなかった。
なんていうか、人付き合いの難しさとかやっかいなことは、私もいつもいつも感じていて、この作中人物ほどではないにしても、上手く話せず場になじめない自分を見せつけられることはよくある訳で・・・そういう苦しさとかもどかしさとか、そんな物を自分の中に見つけて一緒に悩み、でも、この二つの作品のラストに、とてもあたたかいやさしさを感じる。
心のお話。そんな印象。
そして、「傷」では、その心の痛さと友達の絆の強さに泣いてしまい・・・
こころの微妙な揺れや隙間。そこを描くのもこの人、上手なんですね。
読み進むうちに、ふと、「あれ?乙一って男性作家だと思ってたけれど、女性だったっけ?」と思ってしまったり。。
ま、それは大きな誤解でしたけれど、そのくらい、気持ちの動きの表現がやわらかかった。
ただ。
書き下ろしの「マリアの指」
これはー、やっぱりあの「SEVEN ROOMS」を書いた人と紛れも無く同じ人物だ~~と、あれほどでは無いにしろ、心の片隅で怖さに震えつつ実感もしたのでした。
(スニーカー文庫は全部持っている!と豪語していた彼女だから、きっとこの書き下ろし短編のためだけに、この本を購入したんだろうなあ。すごい・・・ま、私の新井素子熱と一緒かな~~~)
気に入った2作品に、もう1作を足して「三部作」のような位置づけを乙一さんはしているようです。
今度はその残り1作、「暗いところで待ち合わせ」も読んでみたいな~~と、彼女に話をしようと思っていたりしています。。。(貸してね~~~)買わないところが、やっぱり私の中での彼の作品の位置が微妙な証かな~~
短編集。あとがきによると、ライトノベルズ(角川スニーカー文庫)に以前収録されたものの、再編集本のようです。
この、あとがきに私は苦笑してしまいました。
ライトノベルズ。そうか。業界では「小説」としてジャンルを認められているわけではないんですね?
おもしろいけどねぇ。あっさり読めるし挿絵で楽しめるし・・・
マンガ本と小説の間。橋渡しの役割は間違いなくできていると思うのですが。。。?
『ミステリやSFやノンフィクションなど、すべてのジャンルを無差別に読むと自負している人でさえ、ライトノベルだけは読書の対象から除外していたりする』・・・あとがきより抜粋・・・
と、乙一さんおっしゃってます。
それは、、、多分に、あの「きゃぴきゃぴの表紙」の影響もあるかと。。
ロマンスグレーのすてきな紳士がかの本を手にしたら・・・って、勝手な想像は置いておいて、大人が手に取るのにいささか躊躇する見た目であることは確かでしょうね。(私は全く平気なんですが・・・/^^;)
さて。中身です。
先日、あまりの恐怖に引き気味になった乙一さん
その話を貸してくれた友人にしましたら、次に運んで来てくれたのがこの作品でした。「こっちなら大丈夫」ってことかな~(笑)
とても気に入った作品は、
「Calling You」と、「しあわせは子猫のかたち」
「Calling You」
人との付き合いが上手くできない高校生の少女が、頭の中に「想像上の携帯電話」を作り出し、ある日突然、そこに実際に1つ上の少年から電話がかかってくる。彼も頭の中に携帯電話を持っていて、そこからめちゃくちゃに番号を回したら彼女の携帯につながったとのこと。それを最初は信じられなかった彼女が、自分でもめちゃくちゃな番号を頭の中で掛けてみると、つながった相手は大人の女性。
そしてはじまる、悲しい切ない物語。
「しあわせは子猫のかたち」
相手とうまく調子をあわせることが出来ず、人との接し方に悩んで悩んで悩みつかれ、誰も知らない土地に行って極力人と関わらずに生きていこうと決め、大学進学を期に、家を出て一人暮らしを始めた彼。その暮らし始めた家に、白い子猫とそして少し前に強盗に殺された彼女がいた。殺された・・そう。彼女はその気配しか感じられず、実際に見ることも触れることも出来ないのだが、確実にその家にいて、知らず知らずの間に、孤独を好む彼の心を変えていく。
そして、彼女の殺された理由を彼は見つけることになる・・・
この2作品。ぼろぼろ涙が流れちゃって止まらなかった。
なんていうか、人付き合いの難しさとかやっかいなことは、私もいつもいつも感じていて、この作中人物ほどではないにしても、上手く話せず場になじめない自分を見せつけられることはよくある訳で・・・そういう苦しさとかもどかしさとか、そんな物を自分の中に見つけて一緒に悩み、でも、この二つの作品のラストに、とてもあたたかいやさしさを感じる。
心のお話。そんな印象。
そして、「傷」では、その心の痛さと友達の絆の強さに泣いてしまい・・・
こころの微妙な揺れや隙間。そこを描くのもこの人、上手なんですね。
読み進むうちに、ふと、「あれ?乙一って男性作家だと思ってたけれど、女性だったっけ?」と思ってしまったり。。
ま、それは大きな誤解でしたけれど、そのくらい、気持ちの動きの表現がやわらかかった。
ただ。
書き下ろしの「マリアの指」
これはー、やっぱりあの「SEVEN ROOMS」を書いた人と紛れも無く同じ人物だ~~と、あれほどでは無いにしろ、心の片隅で怖さに震えつつ実感もしたのでした。
(スニーカー文庫は全部持っている!と豪語していた彼女だから、きっとこの書き下ろし短編のためだけに、この本を購入したんだろうなあ。すごい・・・ま、私の新井素子熱と一緒かな~~~)
気に入った2作品に、もう1作を足して「三部作」のような位置づけを乙一さんはしているようです。
今度はその残り1作、「暗いところで待ち合わせ」も読んでみたいな~~と、彼女に話をしようと思っていたりしています。。。(貸してね~~~)買わないところが、やっぱり私の中での彼の作品の位置が微妙な証かな~~