その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

思い込みという知識

2009-07-22 21:16:50 | 暮らし
三連休の後の仕事にしては、少々ハードにこなしました。仕事の中で休養を取れるほど、世の中そんなに甘くはないのですが、身の周りに課題が多い事もまた事実です。
山形は、梅雨明けしないまま7月後半へと突入し、田圃の中干しも一週間程度との思いとは裏腹に、既に溝切りから2週間経過しているのも関わらず、水田表面の土が固まりきっておりません。我が在所で『バンキ』と呼んでいる「穂肥…施肥」も終え、畦畔の除草を少しずつこなしている毎日です。
梅雨時の長雨で畑作業もできず(疲れた身体には、休養の口実ともなる訳ですが…)、結果、草は伸び放題、収穫遅れのきゅうりは、益々肥大化しております。このまま肥大化を続ければ、「ユウガオ」として出荷できるかも…んなぁ訳はないだろう。一度で二度おいしい話など、そうそうある訳ではありません。
しかし、こうした冗談も、時と場所を選ばないと大変なことになります。学生時代に、農場実習に参加する同級生に「酸性土壌で育った作物が『ニラ』で、中性土壌では『ネギ』となり、アルカリ性土壌では『タマネギ』になる…。」という珍妙な夢屋理論を展開しましたところ、これを本気にした輩がおりまして、教官の質問にまともな顔をして答えたという…当然、後から平謝りしたという経験があります。
            
思い込みという知識からすると、一枚の画像からでは、何の変哲もない『マメコガネ』の夫妻ということになるのですが、一連の経過(物語)をご披露しますとこうなります。
畑には大豆が植えられているにも関わらず、『マメコガネ』たちは、昨日まで畦道の『イタドリ』の葉を食べておりました。今朝、初めてお隣の畑の大豆の葉を食害しはじめました。夢屋理論では、「昆虫は予め食べる植物(雑草)を持っており、ある時期または、ある一定の個体数に達するとこうして作物を食害し始めるのではないだろうか…?本当に大豆の葉が美味しく、栄養に富んでいるのであれば、飛翔力のある『マメコガネ』は、初めから大豆の葉を食害しても良いはずである。」
そしてまた、夢屋が撮影のために大豆の葉に近づくと、♂はお決まりのポーズである後脚を上げる行動を取りました。「これは、外敵または、他の♂から♀を護るための行動であろう…。」などと、思い込みの世界はどんどん拡がっていきます。
こうした昆虫の行動の理由が分かったからといって何か役立つのでしょうか?何の役にも立たないかもしれません。が、もし一定の個体数以下で作物の食害が防げるのであれば、余計な農薬を散布する必要が無くなりますし、『マメコガネ』夫妻の交尾行動が、生涯一度だけならば、何らかの個体数調整に活用できるかもしれない…。夢は果てしなく続きます。
しかし、日本は、直接「利益」に結びつかない基礎研究費を出さないことで有名ですから、今叫ばれている成果主義の導入が、利益還元率のみの尺度で測られますと、基礎研究は疎かにされ、結果的に応用の分野にも結びついていかないということになるはずなのですが…。
「思い込みの知識」というお題でしたが、標題画像は、畦道に咲いた『オオアワダチソウ』です。私自身は、先程まで「セイタカアワダチソウ」だと思い込んでおりました。ネット社会は、誤謬も同時に配信されるため、「ブタクサ」に「セイタカアワダチソウ」の画像が混じって(勘違いが多いようです)いたりします。「セイタカアワダチソウ」の花言葉は、『元気』だそうですが、私も『元気』が続く限り、昆虫ワールドの検証作業は続けていきたいと思っているのです…。
コメント
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