ひと晩眠れば、体調も戻る。さすがに、本日の朝仕事はパスしましたけれど…^^;
それでも秋野菜の苗に灌水しないと、この暑さで萎れてしまうし、ナスも収穫しないと爆発しそうな勢いであります。まぁ、生き物とお付き合いするということはこういうこと…こちらの体調などお構い無しなのであります。水の回りが悪い田んぼに転作作物として、今年初めて「そば」の種を播いてみました。雨も降らずトラクターで耕起したところに播いただけなのに、しっかり芽を出しております。「あたしゃ、主のおそばに居たいのよ。」などと、落語の一節に出て来そうな文句を諳んじながら、たくましい「そば」の双葉を見つめております。「そば」は救荒作物であり、かなり粗放的な栽培でも収穫できる作物であります。試験的な栽培面積なので、そば粉にまで出来るかどうかは疑問でありますが、まぁ何でも挑戦…自分自身の身の回りに変化を与えることで、飽き易い性格を何とか農作業に繋いでいるのであります^^;
山形市内在住の『さくら子ちゃん(H.N.)』からコメントをいただきました。題して「1反で?」…『夢屋水田』の「ヒメノモチ」の収量を5俵と推計したことに対して、山形市内でも1反(10a)当たり8~10俵(480Kg~600Kg)は収穫できると聞いているとのご質問でありました。
山形県置賜地方では、山間地域や平場での違いはありますが、10a当たりの収量を10俵(600kg)として思い描きます。実際に、『夢屋本田』の水稲共済(稲の収穫保険)の基準収量は620Kgであり、『夢屋国王』が想定する平年作は「はえぬき」12俵(720Kg)であります。一方、今年初めて手掛けている「ヒメノモチ」の場合は、10a当たりの収量を8俵(480Kg)と予測しているので、6.5aの『夢屋水田』では、5.2俵(312Kg)とそろばん勘定をしているのであります。
何故こんなに収量に違いが出るのでしょうか?「スズメが刺さる(つつく)」のも原因のひとつではありますが、画像のように白い穂(秕…しいな)…不稔の籾が多いことが一番の原因であるようです。うるち米の圃場と遜色の無い出穂の状態でありましたが、乳熟期以降、画像のように白い穂をした場所がかなり目立つようになりました。これも品種特性のひとつです。
山形県が力を入れている「つや姫」の場合は、基準収量を9俵まで落として品質管理をしております。『夢屋国王』が作付けしている「はえぬき」も食味ランキングでは常にAランク入りする品種でありますが、多肥栽培してもイネ自体が肥料を消化してくれます。一方、「コシヒカリ」や「つや姫」の場合は、多肥栽培をしてしまうと草丈が伸びてしまい倒伏し易くなる。倒伏し、籾が濡れることで米の品質が下がってしまう。素人には栽培が難しい品種なのであります。さらには、多肥栽培(窒素過多)は、米に含まれるアミノ酸値が高くなり、雑味が生じて食味値が落ちてしまうと言われております。そこで、目標とする基準収量をワザと9俵まで落とした品質管理をするのです。
TPPなど、将来的に外国産米の輸入量が増えても、食味の良さを武器に生き残り(価格の維持)を図ろうと言うひとつの戦略なのであります。
『さくら子ちゃん(H.N.)』が、彼のおそばに居られるようになりましたら、お節介な『夢屋オジサン』は、お祝いに「一生(一升)餅」でも搗いてあげようかなどと、さらなるお節介を妄想しているのでありますよ^^;
※「一升餅」とは、地方によって風習に違いがあります。「一生食べ物に困らないように」とか「一生の重みを背負わせてしまう」など。一歳の誕生日前に立った子どもには『たったらもち』などと言って、一升餅を風呂敷に包んで背負わせたりするのでありますが…