この「アジア版NATO」について、石破幹事長が国会内で開いた会合で「中国の国防予算が伸び、米国の力が弱まる。この地域では中国とのバランスを取らねばならない」と述べ、「アジア版NATO」に言及されたのだそうですね。
■首相、石破氏に調整指示 実現へ3つの関門
安倍晋三首相は6日、石破茂幹事長ら自民党幹部と相次いで会談し、集団的自衛権の行使容認に向けた手続きを調整するよう指示した。石破氏は同日、軍事的な台頭を続ける中国への抑止力として「アジア版NATO(北大西洋条約機構)創設構想」も披露。構想の前提は自衛隊による集団的自衛権行使が必要だが、実現には「3つの関門」があり、波乱含みの展開が予想される。(峯匡孝)
石破氏は首相との会談後、国会内で開いた会合で「中国の国防予算が伸び、米国の力が弱まる。この地域では中国とのバランスを取らねばならない」と述べ、「アジア版NATO」に言及した。
欧米の自由主義諸国が旧ソ連圏と安全保障で対抗するために結成したNATOのように、アジアでも米国を中心に東南アジアなどと連携した対中国の安全保障体制の構築が必要だとする考えだ。首相の意向に沿った発言というのが衆目の一致した見方で、国際社会で主導的な役割を担う安倍政権の「積極的平和主義」を具現化する構想といえる。
構想の実現に、集団的自衛権の行使容認は避けて通れない。石破氏は会合で、行使容認について「今回やり損なうと、当分だめだろう」とも述べた。
首相は、年末までに行う「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の再改定に行使容認を組み込むため、有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が報告書を提出する4月中に与党協議を開始し、通常国会の会期末までに憲法解釈の変更を実現させたいところだ。
≪公明の同意≫
しかし、公明党の同意という関門が立ちはだかる。
首相サイドは、公明党の同意が得られない場合、解釈見直しに賛同する日本維新の会、みんなの党との連携も視野に入れている。だが、連立政権の組み替えに発展しかねず、自民党の一部が公明党の選挙協力がなくなることに反発することも想定される。
≪野党との論戦≫
次の関門は、6月22日に会期末を迎える国会での論戦に移る。首相の答弁が整理されていないと、野党各党が激しく追及し、終盤国会は混乱に陥りかねない。
首相と面会した後の石破氏と高市早苗政調会長はそれぞれ「各党、特に与党内の理解と国民の理解を得た上でやらねばならない」、「いつまでに(閣議決定する)と申し上げる段階にない」と慎重に語った。
≪関連法案審議≫
3つ目の関門は、秋に予定される臨時国会だ。首相は、自衛隊法や周辺事態法などの改正案を臨時国会で成立させる構えだが、来年10月の消費税10%引き上げの是非を決断する時期と重なり、政権にとっては厳しい国会運営になる。
夏の内閣改造・自民党役員人事で強力な布陣を敷けるかもポイントになりそうだ。
政高党低といわれつつも、最近は安倍氏と石破氏の間が接近してきていると言われていますね。
集団的自衛権行使容認を目指す安倍首相は、自民党幹部と会談をする中、石破氏とも会談したのだそうです。その後、石破氏は国会内で開いた会合で「中国の国防予算が伸び、米国の力が弱まる。この地域では中国とのバランスを取らねばならない」と述べ、「アジア版NATO」に言及したのだと。
「アジア版NATO」については、与党トップの方が取り上げて真剣に実行に向けて行動いただけるのは、感謝申し上げますが、トップ方が軽々に口にする課題ではなく、口にするからには揺るぎ難い施策があり各種妨害に耐える案が構築されているべきですが、どうなのでしょう。
もし、これから案を練ると言うのなら、札束外交で仲間を増やし続けている中国が、一段と囲い込みを促進することになり、日本の外交が阻害されかねません。
安全保障や国防では高い知識を持っておられる石破幹事長が、安倍首相の指示で動くとはいえ、そのあたりの目途を持っておられると期待はしていますが、外交交渉の話ですので、急速な「アジア版NATO」構築は困難かと思えます。
今でも、経済が主目的の枠組みは、TPPやRCEPがあります。ASEANや、APEC、EASといった包括的な枠組みもあります。ここから、安全保障をテーマに、中国の覇権拡大の抑止力となる枠組みの「アジア版NATO」を構築するのです。
アジアで中国への抑止力たりうる日米同盟を持つ日本への期待があり、それに応える形で進めていかねばなりません。
中国の妨害に耐える進め方で、慎重かつ迅速に、そして水面下で秘かに準備が進められることと、難関は山積みですが成就を期待します。
ここで、集団的自衛権が必須となりますが、桜井氏が2月26日発売のWILLに寄せられた、「朝日は日本の進路を誤らせる」のなかで、集団的自衛権は日本が米国の戦争につき合わされるというのは間違いで、いまやオバマ・米国は国外での戦争を回避する方向に転じていて、日中間のトラブルに巻き込まれるのを逃げようとしている。むしろ日本が米国を巻き込んで中国への抑止力を高めようとする時代に変わっているのだと書いておられます。
駄目朝日でなくとも、目が覚める発想の転換のお話ですね。
この花の名前は、シラヒゲソウ 撮影場所;六甲高山植物園 (2013年 9月 撮影)
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