米国株は、かつてと異なる姿を見せている。
米国株は2000年から23年にかけてすでに世界の株式市場の2倍以上の好成績を挙げていたが、今年さらに29%のリターンを出した。米国以外の株式リターンは9%に届かなかった。
その背景にはドル高が一段と進んだこと、そして超大型IT株「マグニフィセント・セブン」が続伸し、S&P500種指数の約3分の1を占めるまでになったことがあると、ジョン・シンドリュー。
米国株の好成績の背景にはドル高が一段と進んだこと、そして超大型IT株「マグニフィセント・セブン」が続伸し、S&P500種指数の約3分の1を占めるまでになったことがあると、ジョン・シンドリュー。
米国株はどのセクターでも割高だ。例えば、英日用品大手ユニリーバの予想PERは18倍だが、同業の米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は24倍だ。米石油大手エクソンモービルは14倍だが、同業の英シェルは8倍にとどまる。
また、インフレ調整後のドル相場が1980年代以降これほど一貫して高水準だったことはないのだそうです。
「人工知能(AI)の台頭といったメガフォース(巨大な力)による経済の変革が起きる中、歴史的な傾向はリアルタイムで永久に破壊されている」。世界最大の資産運用会社ブラックロックは最近公表した2025年の見通しでこう述べた。
ブラックロックは投資家に対し、米国株投資を継続し、アクティブ型ファンドを活用し、プライベート(未公開)市場への関心を高めることを推奨。
2008~09年の金融危機後、西側諸国の多くで国内総生産(GDP)は低い軌道を描き続けた。
その後、新型コロナウイルスの大流行が到来し、米国は給付金小切手を各世帯に送付し、失業手当てを増額することで軌道修正した。
コロナ下のデジタル経済進展とその後の生成AI台頭という二つの波に乗った巨大テックを育ててきたことも吉と出た。その効果は大きく、米国のGDPはコロナ前のトレンド予想が示していた水準をすでに超えていると、ジョン・シンドリュー。
一方、より緊縮型の「オールドエコノミー」が中心のユーロ圏は、さらなるしつこい痛手に苦しんでいるようだ。
欧州中央銀行(ECB)はコロナ後の期間を通じ、米連邦準備制度理事会(FRB)の動きを手がかりにして、景気減速に対処すべきことを無視し、金利を積極的に高い水準まで引き上げてきた。
欧州連合(EU)の輸出主導型モデルは、中国の過剰生産能力と米国の関税という脅威により、これまで以上に厳しい課題を突きつけられている。ドイツとフランスでは政治危機が続いており、域内で一貫した産業政策を確立することは一段と困難になっていると、ジョン・シンドリュー。
ドナルド・トランプ次期米大統領はドル安を望んでいるかもしれないが、1980年代の経験から分かるように、国際社会の協調的な取り組みが必要だと、ジョン・シンドリュー。
次に米国の小型株を考えてみよう。小型株の総資産利益率(ROA)は20年前にはS&P500種指数のROAをわずかに下回る程度だった。だが現在は3分の1にとどまる。その理由は、超大型株のリターンが高まる一方で、質の良い上場中小企業の数が減ったためだと、ジョン・シンドリュー。
世界銀行のWDI(世界開発指標)データによると、米国の上場企業数は1996年のピーク時から2022年にかけて43%減少したのだそうです。
調査によると、全体として資金力のある超大型企業が他社の買収を進めているためなのだと。
優良な中小企業がより長期に未公開のままでいることも要因となっているとも。
経済学者のケネス・フレンチ氏とユージン・ファーマ氏は、小型株が過去にアウトパフォームした理由は、より大型のカテゴリーへと成長した数少ない企業が原因だったことを突き止めたのだそうです。
今の株式市場は祖父の時代とは違うのだと、ジョン・シンドリュー。
# 冒頭のグラフは、米国と米国以外の株式リターン
イチョウ
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米国株は2000年から23年にかけてすでに世界の株式市場の2倍以上の好成績を挙げていたが、今年さらに29%のリターンを出した。米国以外の株式リターンは9%に届かなかった。
その背景にはドル高が一段と進んだこと、そして超大型IT株「マグニフィセント・セブン」が続伸し、S&P500種指数の約3分の1を占めるまでになったことがあると、ジョン・シンドリュー。
2024年米国株の極端なトレンド、来年も続くのか - WSJ
一部に長期化する傾向も、投資家は平均への回帰を想定すべきでない By ジョン・シンドリュー 2024年12月23日
米国株は、かつてと異なる姿を見せている。
2024年は極端な市場トレンドがいっそう顕著になった。MSCIの指数でみると、米国株は2000年から23年にかけてすでに世界の株式市場の2倍以上の好成績を挙げていたが、今年さらに29%のリターンを出した。米国以外の株式リターンは9%に届かなかった。
その背景にはドル高が一段と進んだこと、そして超大型IT株「マグニフィセント・セブン」――アップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、テスラ、エヌビディアの7銘柄――が続伸し、S&P500種指数の約3分の1を占めるまでになったことがある。2023年末時点では約4分の1だった。
超大型株の上げ相場があまりにも急激だったため、S&P小型株600指数は「トランプトレード」で一時買われたものの、出遅れている。小型株の株価収益率(PER)が今と同じくらい低かった過去の低迷期としては、1970年代の「ニフティ・フィフティ」時代や1990年代終盤のドットコム・バブルなどがある。この時期が過ぎると、小型株は優良株を大きくアウトパフォームしている。
ストックス欧州600指数も、やはり割安に見える。それはIT関連株の乏しさだけが理由ではない。米国株はどのセクターでも割高だ。例えば、英日用品大手ユニリーバの予想PERは18倍だが、同業の米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は24倍だ。米石油大手エクソンモービルは14倍だが、同業の英シェルは8倍にとどまる。
また、インフレ調整後のドル相場が1980年代以降これほど一貫して高水準だったことはない。1980年代はその後数十年にわたるドル安の始まりとなった。
従って、もし過去のパターンが再び幅を利かせるならば、長期投資家は人々の殺到する取引を避け、割安な株を買い、安泰な立場にいればよい。だが、これはあくまで仮定の話だ。そうならないかもしれない。
「人工知能(AI)の台頭といったメガフォース(巨大な力)による経済の変革が起きる中、歴史的な傾向はリアルタイムで永久に破壊されている」。世界最大の資産運用会社ブラックロックは最近公表した2025年の見通しでこう述べた。
ブラックロックは投資家に対し、米国株投資を継続し、アクティブ型ファンドを活用し、プライベート(未公開)市場への関心を高めることを推奨する。それは好都合なことに、ブラックロック自身の営業戦略――同社は最近、プライベートクレジット大手のHPSインベストメント・パートナーズを買収すると発表――と符合している。だが、バリュエーションは何もないところには存在しない、という指摘は正しい。
2008~09年の金融危機後、西側諸国の多くで国内総生産(GDP)は低い軌道を描き続けた。経済が回復してもそれは変わらず、いずれ経済が平均に回帰するという先入観を打ち砕いた。そして短期間のショックの影響が長引く「履歴効果(ヒステリシス)」の研究が盛んになった。
その後、新型コロナウイルスの大流行が到来し、米国は給付金小切手を各世帯に送付し、失業手当てを増額することで軌道修正した。また、コロナ下のデジタル経済進展とその後の生成AI台頭という二つの波に乗った巨大テックを育ててきたことも吉と出た。その効果は大きく、米国のGDPはコロナ前のトレンド予想が示していた水準をすでに超えている。
一方、より緊縮型の「オールドエコノミー」が中心のユーロ圏は、さらなるしつこい痛手に苦しんでいるようだ。2024年初めの予想外に好調だった経済指標は、ここ数カ月の失望を招く結果によって相殺された。
欧州中央銀行(ECB)はコロナ後の期間を通じ、米連邦準備制度理事会(FRB)の動きを手がかりにして、景気減速に対処すべきことを無視し、金利を積極的に高い水準まで引き上げてきた。
欧州連合(EU)の輸出主導型モデルは、中国の過剰生産能力と米国の関税という脅威により、これまで以上に厳しい課題を突きつけられている。ドイツとフランスでは政治危機が続いており、マリオ・ドラギ前ECB総裁がまとめた報告書で行動計画が示されたにもかかわらず、域内で一貫した産業政策を確立することは一段と困難になっている。
新興国市場に関しては2000年代初めにブーム期があったとはいえ、アジア以外では経済的統合を図る約束が果たされていない。2008~09年の金融危機以降、これらの国々は金融ショックから身を守る方法を学んだ。だが、それは自国通貨の切り下げを容認し、ドル建ての外貨準備を積み増すということだ。おまけにシェール革命で米国はエネルギーの純輸出国となった。
これらは全てドルの強さの源泉だ。ドナルド・トランプ次期米大統領はドル安を望んでいるかもしれないが、1980年代の経験から分かるように、それを達成するには国際社会の協調的な取り組みが必要だろう。
あるいは米国の小型株を考えてみよう。小型株の総資産利益率(ROA)は20年前にはS&P500種指数のROAをわずかに下回る程度だった。だが現在は3分の1にとどまる。その理由は、超大型株のリターンが高まる一方で、質の良い上場中小企業の数が減ったためだ。
世界銀行のWDI(世界開発指標)データによると、米国の上場企業数は1996年のピーク時から2022年にかけて43%減少した。一方、米国以外では増加し続けている。調査によると、全体として資金力のある超大型企業が他社の買収を進めているためだ。だがこの10年間でプライベート市場が2倍の規模になったことも、優良な中小企業がより長期に未公開のままでいる要因となっている。ナスダック市場に上場する平均的企業の規模は以前より大きくなり、創業年数は増えている。
小型株の枠を超えるようなスーパースターが少数でもあれば、全体のバリュエーションが割安な理由になる。経済学者のケネス・フレンチ氏とユージン・ファーマ氏は、小型株が過去にアウトパフォームした理由は、より大型のカテゴリーへと成長した数少ない企業が原因だったことを突き止めた。
確かに大きな乖離(かいり)がPERなどに生じていることは、市場に「フロス(細かい泡)」が存在する証しかもしれない。だが単純な平均への回帰に賭ける投資家はがっかりするかもしれないが、今の株式市場は祖父の時代とは違うのだ。
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ジョン・シンドリュー ウォールストリートジャーナルコラムニスト
ロンドンを拠点とするハードオンザストリートのコラムニストで、ヨーロッパの銀行や金融サービス、市場やマクロ経済学をカバーしています。
一部に長期化する傾向も、投資家は平均への回帰を想定すべきでない By ジョン・シンドリュー 2024年12月23日
米国株は、かつてと異なる姿を見せている。
2024年は極端な市場トレンドがいっそう顕著になった。MSCIの指数でみると、米国株は2000年から23年にかけてすでに世界の株式市場の2倍以上の好成績を挙げていたが、今年さらに29%のリターンを出した。米国以外の株式リターンは9%に届かなかった。
その背景にはドル高が一段と進んだこと、そして超大型IT株「マグニフィセント・セブン」――アップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、テスラ、エヌビディアの7銘柄――が続伸し、S&P500種指数の約3分の1を占めるまでになったことがある。2023年末時点では約4分の1だった。
超大型株の上げ相場があまりにも急激だったため、S&P小型株600指数は「トランプトレード」で一時買われたものの、出遅れている。小型株の株価収益率(PER)が今と同じくらい低かった過去の低迷期としては、1970年代の「ニフティ・フィフティ」時代や1990年代終盤のドットコム・バブルなどがある。この時期が過ぎると、小型株は優良株を大きくアウトパフォームしている。
ストックス欧州600指数も、やはり割安に見える。それはIT関連株の乏しさだけが理由ではない。米国株はどのセクターでも割高だ。例えば、英日用品大手ユニリーバの予想PERは18倍だが、同業の米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は24倍だ。米石油大手エクソンモービルは14倍だが、同業の英シェルは8倍にとどまる。
また、インフレ調整後のドル相場が1980年代以降これほど一貫して高水準だったことはない。1980年代はその後数十年にわたるドル安の始まりとなった。
従って、もし過去のパターンが再び幅を利かせるならば、長期投資家は人々の殺到する取引を避け、割安な株を買い、安泰な立場にいればよい。だが、これはあくまで仮定の話だ。そうならないかもしれない。
「人工知能(AI)の台頭といったメガフォース(巨大な力)による経済の変革が起きる中、歴史的な傾向はリアルタイムで永久に破壊されている」。世界最大の資産運用会社ブラックロックは最近公表した2025年の見通しでこう述べた。
ブラックロックは投資家に対し、米国株投資を継続し、アクティブ型ファンドを活用し、プライベート(未公開)市場への関心を高めることを推奨する。それは好都合なことに、ブラックロック自身の営業戦略――同社は最近、プライベートクレジット大手のHPSインベストメント・パートナーズを買収すると発表――と符合している。だが、バリュエーションは何もないところには存在しない、という指摘は正しい。
2008~09年の金融危機後、西側諸国の多くで国内総生産(GDP)は低い軌道を描き続けた。経済が回復してもそれは変わらず、いずれ経済が平均に回帰するという先入観を打ち砕いた。そして短期間のショックの影響が長引く「履歴効果(ヒステリシス)」の研究が盛んになった。
その後、新型コロナウイルスの大流行が到来し、米国は給付金小切手を各世帯に送付し、失業手当てを増額することで軌道修正した。また、コロナ下のデジタル経済進展とその後の生成AI台頭という二つの波に乗った巨大テックを育ててきたことも吉と出た。その効果は大きく、米国のGDPはコロナ前のトレンド予想が示していた水準をすでに超えている。
一方、より緊縮型の「オールドエコノミー」が中心のユーロ圏は、さらなるしつこい痛手に苦しんでいるようだ。2024年初めの予想外に好調だった経済指標は、ここ数カ月の失望を招く結果によって相殺された。
欧州中央銀行(ECB)はコロナ後の期間を通じ、米連邦準備制度理事会(FRB)の動きを手がかりにして、景気減速に対処すべきことを無視し、金利を積極的に高い水準まで引き上げてきた。
欧州連合(EU)の輸出主導型モデルは、中国の過剰生産能力と米国の関税という脅威により、これまで以上に厳しい課題を突きつけられている。ドイツとフランスでは政治危機が続いており、マリオ・ドラギ前ECB総裁がまとめた報告書で行動計画が示されたにもかかわらず、域内で一貫した産業政策を確立することは一段と困難になっている。
新興国市場に関しては2000年代初めにブーム期があったとはいえ、アジア以外では経済的統合を図る約束が果たされていない。2008~09年の金融危機以降、これらの国々は金融ショックから身を守る方法を学んだ。だが、それは自国通貨の切り下げを容認し、ドル建ての外貨準備を積み増すということだ。おまけにシェール革命で米国はエネルギーの純輸出国となった。
これらは全てドルの強さの源泉だ。ドナルド・トランプ次期米大統領はドル安を望んでいるかもしれないが、1980年代の経験から分かるように、それを達成するには国際社会の協調的な取り組みが必要だろう。
あるいは米国の小型株を考えてみよう。小型株の総資産利益率(ROA)は20年前にはS&P500種指数のROAをわずかに下回る程度だった。だが現在は3分の1にとどまる。その理由は、超大型株のリターンが高まる一方で、質の良い上場中小企業の数が減ったためだ。
世界銀行のWDI(世界開発指標)データによると、米国の上場企業数は1996年のピーク時から2022年にかけて43%減少した。一方、米国以外では増加し続けている。調査によると、全体として資金力のある超大型企業が他社の買収を進めているためだ。だがこの10年間でプライベート市場が2倍の規模になったことも、優良な中小企業がより長期に未公開のままでいる要因となっている。ナスダック市場に上場する平均的企業の規模は以前より大きくなり、創業年数は増えている。
小型株の枠を超えるようなスーパースターが少数でもあれば、全体のバリュエーションが割安な理由になる。経済学者のケネス・フレンチ氏とユージン・ファーマ氏は、小型株が過去にアウトパフォームした理由は、より大型のカテゴリーへと成長した数少ない企業が原因だったことを突き止めた。
確かに大きな乖離(かいり)がPERなどに生じていることは、市場に「フロス(細かい泡)」が存在する証しかもしれない。だが単純な平均への回帰に賭ける投資家はがっかりするかもしれないが、今の株式市場は祖父の時代とは違うのだ。
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ジョン・シンドリュー ウォールストリートジャーナルコラムニスト
ロンドンを拠点とするハードオンザストリートのコラムニストで、ヨーロッパの銀行や金融サービス、市場やマクロ経済学をカバーしています。
米国株の好成績の背景にはドル高が一段と進んだこと、そして超大型IT株「マグニフィセント・セブン」が続伸し、S&P500種指数の約3分の1を占めるまでになったことがあると、ジョン・シンドリュー。
米国株はどのセクターでも割高だ。例えば、英日用品大手ユニリーバの予想PERは18倍だが、同業の米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は24倍だ。米石油大手エクソンモービルは14倍だが、同業の英シェルは8倍にとどまる。
また、インフレ調整後のドル相場が1980年代以降これほど一貫して高水準だったことはないのだそうです。
「人工知能(AI)の台頭といったメガフォース(巨大な力)による経済の変革が起きる中、歴史的な傾向はリアルタイムで永久に破壊されている」。世界最大の資産運用会社ブラックロックは最近公表した2025年の見通しでこう述べた。
ブラックロックは投資家に対し、米国株投資を継続し、アクティブ型ファンドを活用し、プライベート(未公開)市場への関心を高めることを推奨。
2008~09年の金融危機後、西側諸国の多くで国内総生産(GDP)は低い軌道を描き続けた。
その後、新型コロナウイルスの大流行が到来し、米国は給付金小切手を各世帯に送付し、失業手当てを増額することで軌道修正した。
コロナ下のデジタル経済進展とその後の生成AI台頭という二つの波に乗った巨大テックを育ててきたことも吉と出た。その効果は大きく、米国のGDPはコロナ前のトレンド予想が示していた水準をすでに超えていると、ジョン・シンドリュー。
一方、より緊縮型の「オールドエコノミー」が中心のユーロ圏は、さらなるしつこい痛手に苦しんでいるようだ。
欧州中央銀行(ECB)はコロナ後の期間を通じ、米連邦準備制度理事会(FRB)の動きを手がかりにして、景気減速に対処すべきことを無視し、金利を積極的に高い水準まで引き上げてきた。
欧州連合(EU)の輸出主導型モデルは、中国の過剰生産能力と米国の関税という脅威により、これまで以上に厳しい課題を突きつけられている。ドイツとフランスでは政治危機が続いており、域内で一貫した産業政策を確立することは一段と困難になっていると、ジョン・シンドリュー。
ドナルド・トランプ次期米大統領はドル安を望んでいるかもしれないが、1980年代の経験から分かるように、国際社会の協調的な取り組みが必要だと、ジョン・シンドリュー。
次に米国の小型株を考えてみよう。小型株の総資産利益率(ROA)は20年前にはS&P500種指数のROAをわずかに下回る程度だった。だが現在は3分の1にとどまる。その理由は、超大型株のリターンが高まる一方で、質の良い上場中小企業の数が減ったためだと、ジョン・シンドリュー。
世界銀行のWDI(世界開発指標)データによると、米国の上場企業数は1996年のピーク時から2022年にかけて43%減少したのだそうです。
調査によると、全体として資金力のある超大型企業が他社の買収を進めているためなのだと。
優良な中小企業がより長期に未公開のままでいることも要因となっているとも。
経済学者のケネス・フレンチ氏とユージン・ファーマ氏は、小型株が過去にアウトパフォームした理由は、より大型のカテゴリーへと成長した数少ない企業が原因だったことを突き止めたのだそうです。
今の株式市場は祖父の時代とは違うのだと、ジョン・シンドリュー。
# 冒頭のグラフは、米国と米国以外の株式リターン
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