遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

北方領土 露はミサイル配備へエスカレート

2011-03-03 20:59:01 | ロシア全般
 北方領土の実効支配強化に向けた、ロシアの攻勢はとどまるところを知らず、一段とエスカレートしていますね。
 中国、韓国企業の誘致、基地の増強、新型原子力潜水艦の太平洋艦隊への配備、フランスから購入予定のミストラル級強襲揚陸艦の配備と、多岐にわたる攻勢ですが、ついに「ヤホント」や対空ミサイルシステム「トールM2」の配備計画を発表しました。千島列島に配備としていますが、千島列島の主要な軍事拠点は北方領土の択捉、国後両島にあり、同ミサイルも両島に配備される可能性が高いとみられます。択捉島への対戦車ミサイルなどを搭載する攻撃ヘリコプターMi28 の配備も発表されています。

 ロシア、北方領土に巡航ミサイル 北海道の一部射程内も - 47NEWS(よんななニュース)
 ロシアが北方領土を放棄しない理由、ドイツやフィンランドとの関係も考慮  [サーチナ]

 
北方領土 ミサイルまで配備するか (3/3 産経 主張)

 ロシア軍が北方領土に対艦巡航ミサイルや新型対空ミサイルを配備する軍備増強計画をまとめ、国防相に提出した。
 国後、択捉両島には、すでに3500人の部隊が駐屯している。これに最新兵器を加え、軍事面でも不法占拠を強化しようという狙いだ。
 根室から目と鼻の先の日本固有の領土で、主権を侵害する危険極まりない計画は断じて許されない。
枝野幸男官房長官は「わが国の立場と相いれず、大変遺憾だ」と述べるにとどまった。日本は強く抗議すべきだ。
 また、ロシア軍参謀総長は先月末、フランスから購入予定のミストラル級強襲揚陸艦4隻のうち、少なくとも1隻をロシア太平洋艦隊に配備し、北方領土などの防衛任務にあてる可能性を示した。
 この強襲揚陸艦はヘリコプター16機、兵員900人を輸送する能力をもつ。ソ連崩壊後、ロシアが欧米から購入する最大規模の艦艇である。
日本政府はロシアに対してだけでなく、フランスにも強く抗議すべきだ。
 ロシアは新型原潜を開発したのに続いて、昨秋、核搭載可能な新型弾道ミサイルの原潜からの発射にも成功した。このミサイルは米国のミサイル防衛網を突破する可能性がある。
 近く、新型原潜はオホーツク海に配備されるようだが、問題の対空ミサイルなどは、同海の「聖域化」を図る狙いがあろう。
北方四島を一切返還する意思がないことを示している。菅直人政権は米国と連携し、この方面での防衛体制を強化すべきだ。
 先月末、国後島の農場で、複数の中国人労働者がロシアの労働許可を得て農作物の栽培に従事していることも明らかになった。北方領土でのロシアの管轄権を認めることになる中国人労働者の雇用は、日本として認められない。
 先に発表された同島でのナマコ養殖の中露合弁事業を含め、こうした経済活動による不法占拠の既成事実化にも注意を払い、その都度、抗議していく必要がある。
 尖閣事件後の昨年9月、中露両国は「主権や領土保全にかかわる核心的利益」での協力をうたった共同声明を発表した。以来、ロシアは不法占拠の固定化に向け露骨な敵対行動を繰り返している。
 
ロシアの不当な行為を逐一、指摘し、それを国際社会に知らしめていかねばならない

 ロシアの攻勢に対し、日本政府の対応は、日露外相会議の直前に、カンカラ菅が「許しがたい暴挙」発言をしましたが、露に一喝されておとなしくなってしまいました。
 当然予測される露の反発に対する、二の矢、三の矢が、外相会談で放たれる戦略かとおもいきや、民主党のDNAの、単なるパフォーマンス発言であったらしく、言い訳めいたことを言って尻すぼみです。

 国家の主権侵害に、強く反発していかねば、ロスケのことですから、限りなく主張を拡大してきます。
 そのひとつが、産経の主張も書いていますが、国際世論へのPRです。領土問題ですから、最後は二国間で解決せねばならないのは当然で、人様に依存してはいけませんが、国際世論を味方につけておくことは、重要です。
 ロシアは察知しているからこそ、中国、韓国の企業誘致をしていますし、四島は日本領とする米国の関与を事前に封鎖しようと、アドバルンをあげていますね。

 ロシア:米大使を注意 北方領土問題で日本支持を表明 - 毎日jp(毎日新聞)
 【北方領土】露外相「ポツダム宣言でソ連領」発言 歴史ねつ造? - MSN産経ニュース

 何度も言ってきていることですが、ロシアのプーチンによる経済復活は、地下資源の売却益によるものです。産業の改革など自力によるものではありません。そして、主力のガス田は枯渇してきており、高コストで現時点では採算が危ぶまれたり、低下する北極海や極東での新規開発を余儀なくされているのです。
 開発の技術支援は、欧州のメジャーや日本に依存するしかなく、開発したガスなどの資源は、中国や日本に買ってもらうことになるのです。
 それが、日本抜きてやられたとしても、販売先が中国では、長い歴史の上では決して親交が続いているとはいえない二国間のこと。買う方も、売る方も、疑心暗鬼の商売となります。
 オランダほかの欧州の国々が、安定供給を求めて脱露対策を進めているのですから、日本もロシアにエネルギー供給の比率を高めてはいけません。

 地下資源で利益が稼げないロシアは、ソ連崩壊時に逆戻りです。
 その時を待てばいいのですが、これまでの様に、ただ座して待つのではなく、終戦の後に侵略したソ連の非道を、世界にPRしながら待つ必要があるでしょう。
 実施可能なら、サハリンのガスを順次買い増して行って、ある日突然購入中止する(あるいはカードにする)という手もありますが、他の購入先からの安定購入とのバランスが難しい...。

 いずれにしても、攻勢を強めるロシアに対し、国家の主権が侵されつつあるにも関わらず、さしたる抗議や対抗手段をとらない日本の姿勢は、世界世論からは、ロシアの主張を容認しているもしくは、反論できない事情があると理解されていることでしょう。


# 冒頭の写真は、ミサイル・ヤホントの試験艦「ナカト」です。




写真素材 PIXTA


Fotolia


↓よろしかったら、お願いします。


ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)
誰がメドベージェフを不法入国させたのか-国賊たちの北方領土外交




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日米 2 + 2 で、V字案交渉 | トップ | 中国の国防費 再び二桁伸長 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ロシア全般」カテゴリの最新記事