遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

トランプ次期大統領誕生で、習政権を翻弄

2016-12-29 23:58:58 | 米国 全般
 トランプ次期大統領誕生で、米中関係は、「パンダハガー」を内蔵したオバマ政権時代とは大きく変わる様相を呈してきていますね。
 中国側の「核心的利益」に係る、「一つの中国の原則」を覆す姿勢を見せ、習近平を翻弄し、緒戦段階から大きな成果を収めていると評価するのは、石平氏。
 トランプ氏が前例にこだわらなくなっていることは日米がよりよい局面になり得ると評価するのは、浜田宏一内閣官房参与(エール大学名誉教授)。

 先ずは、石平氏。
 

トランプショック、習政権を翻弄 (12/29 産経 【石平のChina Watch】)

 今年の年末を飾った、米中間の意外な出来事は、南シナ海の公海で米海軍の無人潜水機が中国海軍の艦船によって捕獲された一件
である。
 今月16日、米国防総省は捕獲の事実を発表して、中国側に速やかな返還を求めた。それに対し、中国国防省は17日に無人潜水機を奪ったことをあっさりと認め、「適切な方法を通じて米軍側に引き渡す」と表明した。そして20日、中国国防省は声明を発表し、同日昼に潜水機を米軍側に引き渡したことを明らかにした。

 これで一件落着であろうが、
問題は、この騒ぎが一体何だったのかだ。米軍が無人潜水機を使って南シナ海で偵察や海洋調査の活動を行うのは以前からのことだから、今になって中国海軍が突如、米軍にけんかを売る形で潜水機の捕獲を実行したのは何らかの特別な理由があるはずだ。タイミングからすればそれは、台湾総統との電話会談に踏み切って「一つの中国の原則」をないがしろにしたトランプ次期大統領への対抗措置
であろうと解釈する以外にない。実際、日本と海外の主流メディアの多くは、「台湾問題の関連でトランプ氏に対する牽制(けんせい)・警告だ」との見方を示した。

 つまり中国が、「一つの中国の原則」を壊そうとしたトランプ氏への反撃として上述の行動に打って出たわけだが、よく考えてみれば、この肝心の
「反撃行動」自体、いかにも姑息(こそく)にしてピント外れのものであった。持ち主のいないところでその所有物をこっそりと盗んだ程度のことなら相手に対する有効な「警告」になるはずもないし、ましてや持ち主に一喝されて盗んだモノをあっさりと返すようなやり方は、国際社会の笑い種となることはあっても、トランプ次期大統領に対する「牽制」にはまったくならない。実際、中国側が「返還する」と表明したのに対し、当のトランプ氏は冷笑的な態度で「返さなくても良い」と突き放した


 本来なら、中国政府からすれば「一つの中国の原則」は自らの「核心利益」に関わる基本原則であるから、それを侵すような行為は断固として許せないところだ。しかしこの
原則を公然と踏みにじったトランプ次期大統領に対し、今のところ、習近平政権は上述のような姑息な手段を使った以外には、何の有効な反撃措置をも打ち出せていない

 この場合、しばらく自重してトランプ政権が発足してからの動向を見極めるのも、あるいは今のうちにトランプサイドに決定的な一撃を加えて中国の本気さを思い知らせるのも、中国にとっての合理的選択肢となるのだが、結局習近平政権は、この2つの合理的行動のいずれかも取ることができなかった。彼らは結局、米軍の無人機を盗み取るような姑息な行動で自らの反応を示し、中途半端な形でその幕引きを図った。
 しかしそれは、「確信犯」のトランプ次期大統領に何の警告的な効果もないこともさることながら、台湾問題に関するトランプ氏の言動に批判的なオバマ政権にまで無意味なけんかを売ることとなった。そしてその行動は結果的に、政権の交代とは関係のない米海軍を敵に回してしまい、中国に対する敵愾(てきがい)心をより一層刺激することになったはずである。

 このようにして、
「一つの中国の原則」を覆そうとした「トランプショック」に対し、習近平政権はどうすればよいのか分からないような戦略的混乱と無為無策に陥っている。逆に言えば、台湾問題を持ち出して中国に揺さぶりをかけるトランプ氏の戦略は、緒戦段階から大きな成果を収めている
のである。

 「トランプ氏は与(くみ)しやすい」という当初の中国国内の楽観論はこれで完全に裏切られた。そして25日、中国の空母艦隊はとうとう第1列島線を越えて西太平洋へ入った。米中対決は来年から本格化していくのではないか。


 「核心的利益」の「一つの中国の原則」をないがしろにしたトランプ次期大統領への対抗措置が、米海軍の無人潜水機をコソドロするという姑息な手段で、しかも持ち主に一喝されて盗んだモノをあっさりと返すような、国際社会の笑い種になるやり口。
 「トランプショック」に対し、習近平政権はどうすればよいのか分からないような戦略的混乱と無為無策に陥っていると、緒戦はトランプ氏に軍配を挙げておられます。

 日米など国際経済・対中関係について、トランプ氏を条件付きながら評価されているのは、浜田教授。
 

【浜田宏一・内閣官房参与、田村秀男・産経新聞編集委員対談】「財政赤字は必ずしも悪くない」(産経新聞) - goo ニュース

 米国のトランプ次期政権発足を受け、日米など国際経済はどう動くか−。本紙の田村秀男編集委員が米国在住の浜田宏一内閣官房参与(エール大学名誉教授)とインターネット通話サイト「スカイプ」を介して対談した。
<中略>

 トランプ氏は前例に縛られず、既存の枠組みを見直す。浜田参与は「ポリティカルコレクトネス(政治的行儀のよさ)やお役所式の建前の世界を破ろうとしていくことは一つの希望」と評価した。トランプ流が日米関係に及ぼす影響については「安倍首相が本音を言えるという意味で、日米がよりよい局面になり得る」と期待を寄せた

 トランプ政権の経済政策がアベノミクスの追い風になるかどうかに関して、浜田氏は保護貿易主義などの考え方をトランプ氏が修正することを条件に挙げ、ビジネスマン上がりの新大統領の柔軟性を注視する構えを示した。

<中略>

 米金利上昇に合わせ、早期利上げを求める日本の金融界の声には「長い間、デフレに苦しんできた日本は、今そうすべきではない」と断じた。


【浜田宏一・内閣官房参与、田村秀男・産経新聞編集委員対談】「対中強硬追い風に」「日米緊密化は必然」(産経新聞) - goo ニュース

対談「トランプ次期政権で日本経済どうなる」詳報
<前略>

 田村 金融データを見ると、米中関係の基盤が大きく変わっています。オバマ政権が中国に軟弱だった背景には、米国が金融市場安定のために中国による米国債買いを頼りにしたことがある。ところが、最近は中国からの資金流出が激しく、その規模は年間で約1兆ドルに上る。北京は米国債を売って人民元を買い支えるのに躍起となり、日本が再び最大の米国債スポンサーになった。しかも中国からの資金流出の多くはドル資産、すなわちウォール街に流れ込む
。トランプ氏当選後にさらに加速している。

 浜田 
トランプ氏は対中で強硬になれるわけですね。トランプ氏が前例にこだわらなくなっていることは日米がよりよい局面になり得る。安倍晋三首相が本音を言いやすくなるからです。日本としてこの際、戦略的にロシアとも仲良くして、中国と対峙(たいじ)できるようにしたい
ものです。

 田村 日本はカネ余りです。企業も金融機関もそれぞれ300兆円を超す資金を寝かせている。米国は日本企業の直接投資と銀行の融資を必要としている。日米緊密化は必然ですね。

 浜田 日本には1985年の(ドル高是正のための)プラザ合意の再来を懸念する向きもある。ユーロがうまくいかないのは、為替レートを無理に固定するからです。もしも、円が下がるのがけしからんとトランプ氏が言い出しても、それを止める人が彼の周りにいるのでしょうか。
日本政府の交渉者はプラザ合意のような考えには断固反対すべきです。それは世界経済を壊しかねない


 田村 トランプ次期政権はインフラ投資など積極財政路線です。共和党などの緊縮財政重視の考え方は後退したのですね。
財政重視はアベノミクスにも影響
します。

 浜田 
政府が財政赤字をつくることは、必ずしも悪くない。少なくともデフレ経済ではよいことかもしれない。最近は米国の学界で物価の財政決定理論というのが有力になっている。民間部門が不況やデフレに悩んでいるときには公債を発行してお金を見せるという意味での一種の「見せ金」をみんなに持たせることも有効ではないかという考えに、米国の経済学者は最近どんどん移ってきている。
<後略>

 浜田教授は、トランプ氏が保護貿易主義などの考え方を修正することを条件に、「ポリティカルコレクトネス(政治的行儀のよさ)やお役所式の建前の世界を破ろうとしていくことは一つの希望」と評価。前例にこだわらなくなっているトランプ氏は、日米がよりよい局面になり得ると期待し、戦略的にロシアとも仲良くして、中国と対峙できるようにしたいと提言されています。
 中国による米国債買いや、中国向け輸出を頼りにしたことで、対中姿勢が軟弱だったオバマ政権とは異なり、中国経済の低迷、米国の金利上昇などで、中国の資金流出が加速し、米国に流れ込んでいる状況を背景に強気に出れるトランプ氏。

 企業も金融機関も国内での投資先がなく、カネ余りの日本。インフラ投資など積極財政路線を採る次期トランプ政権との連携を強め、日本経済も好転することを期待します。



 # 冒頭の画像は、「一つの中国」について、FOXテレビのインタビューに答えるトランプ次期大統領。




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