遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

日本のエネルギー安全保障

2006-10-29 01:03:37 | my notice
 サハリン2、1のロシアの離反、核=米国か資源かの選択を迫られたイラク。
 経済産業省・資源エネルギー庁はエネルギー安全保障を中核とする「新・国家エネルギー戦略」を去る5月末に公表し、「海外資源(原油)開発の自主開発比率を現状の15%から40%に」、「石油依存度一次エネルギー供給に占める割合を40%以下に」等の目標値を掲げ、資源外交について、「国内だけで問題解決を図るのではなく、資源国との関係を強化し、世界経済と共生するために日本の技術力や経験を活用する」としていました。
 「新・国家エネルギー戦略」まとまる
 エネルギーにおける石油の位置付けについて
 遊爺雑記帳:露、今度はサハリン1にも見直し要求

 エネルギーの安定供給=エネルギーの安全保障は、国(国民の生活、国の経済活動)の安全保障に繋がる重要事項で、どんな国でも政府が重要課題として取り組んでいます。
 「新・国家エネルギー戦略」で、資源外交について触れていますが、それは当然ではあるが、古く過去の戦略で、省エネルギーや原子力エネルギーに注力するといった論調に読めます。
 ところが現実は、省エネ技術はおかげで(?)世界のトップ水準に至っていますが、ロシア、イラクの資源問題では、逃げ腰で、民間まかせで資源外交のかけらも見えません。
 
【潮流】資源戦略 省庁は逃げ腰 問われる国の役割 (10/25 産経朝刊)
 日本の将来の資源調達先として有望視されてきたイランのアザデガン油田、ロシアのサハリン1、サハリン2の3つのプロジェクトで、資源輸入計画が相次いで危機に直面している。一連の問題に共通する課題は政府が有効な手だてを講じられないことだ。官民一体の資源獲得を掲げつつ、民間との距離感が定まらない政府の態度が、エネルギー安全保障を不透明にしている。

 「あくまで売り手、買い手の話し合いによる」

 甘利明経産相は24日の記者会見で、難航するサハリン1からの天然ガス輸入交渉の見通しを問われ、米企業が主導する開発事業者側と、日本の電力会社など需要家側との交渉次第だと指摘した。

 しかし、政府は資源獲得のためサハリン1に参画した旧石油公団の出資を継承しており、いわば事業者側の立場でもある。交渉で客観的な立場を装う姿は奇異に映る。

 アザデガン油田問題でも、政府が30%弱を出資する国策企業の国際石油開発帝石ホールディングスが、イラン政府や国営石油会社との交渉の矢面に立った。イラン閣僚らは権益剥奪(はくだつ)も辞さない強硬発言で揺さぶりをかけ続けたが、政府は「商業ベースで話が進んだ」(甘利経産相)と距離を置いた。

 また、日本の商社が開発に参加するサハリン2では、ロシア政府が環境破壊を理由に開発中止の圧力をかけているが、経産省は「事業者の側でロシア当局と話し合っていくこと」とそっけない。

 こうした政府の姿勢に対して、エネルギー業界からは「アザデガンもサハリンも政府の問題」との批判の声が聞こえてくる。経産省は今年5月に策定した新・国家エネルギー戦略で、官民一体での資源外交の重要性を主張した経緯があるからだ。

 煮え切らない態度には経産省なりの保身術がある。「民間の営利事業に口出しし、もし多額の損失が出れば、損害賠償を請求される」と同省幹部は懸念を打ち明ける。政府が天下りの役員を送り込んでいる国際石油開発に対しても、政府の指示で損失が出れば他の株主から代表訴訟を起こされる可能性があるからだ。

 中東諸国やロシア、中国の国策資源会社は政府が株式の過半数を握り、文字通り一丸となって資源外交の舞台に臨む。一方、米国政府は資源開発会社に直接出資しないが、強力な外交力を駆使して後押ししている。

 日本の国家戦略の大志と実情の乖離(かいり)はあまりにも大きい。(上野嘉之)

 中国朝献外交の二階大臣が変わってくれると喜んで、安倍内閣の新経済産業大臣に期待をしていたのですが、その政治的スタンスは親中国派と言われてきた前任の二階俊博とさほど差がないと評される甘利大臣では、安倍内閣への「エネルギー安全保障」「国家エネルギー戦略」への期待は出来ない可能性が大きい...?
 麻生外務大臣に頑張って頂くしか無い。

 インドネシア、豪州の契約更改に向け準備された側面もあるサハリンでしたが、インドネシア、豪州で、日本のLNG年間輸入量の 15%程度に上る日の丸開発が新たに始まる見込みが出てきました。
 FujiSankei Business i. 産業/インドネシアガス田追加掘削 国際石油帝石 14年に生産開始へ(2006/10/19)
 資源外交、今度こそ本腰を入れて支援をして頂きたいものです。

 国の安全保障に関わるもう一つの課題の、防衛省昇格法案は、27日から衆議院で審議が始まったようですね。
 初日から民主、共産、社民の野党 3党が欠席したようですが、与党は31日の委員会で、野党抜きでも集中審議を行う構えで、11月中旬の成立を目指し、1月から新組織にとする意向だそうですね。(10/28 読売朝刊)
 公明党も、来年の統一地方選や参院選を配慮し今国会での成立に前向きとの事ですが、欠席した民主党が、安全保障問題への国民の関心の高まりの中、反対なのか、賛成するのか、態度が曖昧です。
 11月19日の沖縄知事選挙で、糸数慶子氏を支援するという、国益無視の不明な選択をしていて、共産、社民との共闘を重視する声があるからだそうです。

 この、沖縄県知事選も、日米安保条約を左右する重要な国家の安全保障に関わるイベントです。
 名護市長選で示して頂いた、沖縄県民の方々の、国益を配慮いただいた選択をひたすら願っています。

 冒頭の写真は、シャハリスターニー・イラク石油大臣と麻生外相の会談(10月23日)




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1 コメント

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安倍総理 (1Q3)
2006-10-29 19:06:44
 日経BPnet-本日の必読記事で、立花隆の「この国の将来を委ねた安倍総理一族の魑魅魍魎」と言うのがあります。

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/061026_ichizoku/



 「週刊現代」や「週刊朝日」の記事に基づいた記事ですが、とても信じられない話です。

 もしも本当だとしたら、即刻退陣願わねばならない。

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