遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

再生エネルギーの固定価格買い取り制度は、大欠陥を持ったままスタート

2012-07-03 02:23:47 | 新エネルギー
 再生エネルギーの固定価格買い取り制度がスタートしました。
 脱原発では、原発に変わる電力エネルギー源が必要になりますが、現状では大量で安定した基礎となるものは化石エネルギー源に頼るしかありません。しかし、それではCO2排出量が増えるとともに、輸入に依存する化石燃料費が増大し、日本の貿易収支の赤字化が定着してしまいます。
 世界一の財政赤字とその補填の為の借金赤字国への道と、借金返済の為に働かねばならない、日本経済の姿が浮き上がってきて当然です。
 
再生エネ発電 買い取り制は見直しが必要だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 
再生エネ普及へ一歩 買い取リスタート 太陽光・風力参入相次ぐ (7/2 読売朝刊)

<前略>
都市への送電の送電網必要に

 新制度では、再生可能エネルギーの普及に弾みがつくと期待される一方、太陽光や風力などでつくった電気をどうやって需要の多い都市部に送るかという大きな課題がある。
 現在の送電網は、原子力や火力など、特定の大規模な発電所から電気を送ることを想定して作られている。これに対し、太陽光や風力は、点在する遊休地などを活用した比較的小規模な発電所で電気を作る。このため、新たに送電線を設けなければならないケースも多い。送電線の建設資金を誰が負担するかという問題もある。
 北海道や東北地方には風力発電に適した土地が多いが、「送電網が不十分なため、せっかく生み出した電力を送れない事態も生じかねない」(経産省)。経産省の試算では、北海道、東北で送電線を増やすなどの環境整備には、少なくとも5年以上かかり、費用も3000億円を超えるという。
 こうした課題を踏まえ、枝野経産相は1日、風力発電に適した北海道、青森、秋田の一部地域を「風力発電重点整備地区」(仮称)と位置づけ、送電網を整備する費用の一部を国が支援する考えを示した。2013年度予算の概算要求に盛り込む見通しだ。

普及するほど家庭の負担増

 新制度で、家庭の負担は増える。毎月の電気料金が7000円の標準的な家庭で、全国平均の負担額は月87円になる。
太陽光発電などが普及するほど家庭の支払いも増える仕組み
だ。
 SMBC日興証券の塩田氏は、「政府が設定した電力会社の買い取り価格が、発電事業への参入を後押しする水準なので、再生可能エネルギーの普及は進むだろう」と予想する。太陽光による電気の買い取り価格は、1キロ・ワット時当たり42円(税込み)と、「
政府が普及を促すため、業界団体が希望する価格を丸のみした
」(関係者)からだ。
 政府は、発電量全体に占める再生可能エネルギーの割合を、10年度の約10%から30年度には25~35%まで引き上げる方向だ。ただ、送電線の整備費などがかかるため、30年度の発電コストは、10年度に比べて1キロ・ワット時あたり5.5~6.5円上昇する。その分、家庭の負担がさらに増えることになる。
 全量買い取り制度を以前から導入している
ドイツでは、電気料金の上昇による負担増が問題となり、4月に太陽光発電による電気の買い取り価格を最大で3割引き下げた

 再生可能エネルギーの美名のもとに、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度には、マスコミで正面から深堀をしている記事を観ることなく、無関心の状態で制度が粛々と誕生・実施される運びとなっています。
 ようやく、読売が、電力料金が値上げとなるデ・メリットの一部を報じてくれたのですね。
 ただし、再生可能エネルギー=太陽光が42円/キロワットの価格設定をし、割高となることの話までです。

 
滅んだ国に残るのがソーラーパネルと風車だけ - 遊爺雑記帳
 再生可能エネルギー買い取り制度 淡々と実施されるが議論は尽くされたのか - 遊爺雑記帳

 遊爺が機会があるごとに書いてきたのは、高コストになることは、100歩譲って目をつぶったとしても、いろいろ種類がありコストもことなるものの買い取り価格を生産コスト積み上げで各種のエネルギーがまちまちの価格で設定されていることです。
 太陽光42円(20年)、風力23.1円(20年)、地熱27.3円(15年)等とされている通りで、販売単価(電力料金)が、22円とされるなか、太陽光が、42円と突出しすぎています。
 現状の電力料金の算出が、総括原価方式で算出されている事への頭ごなしの悪玉批判は、テレビのワイドショー他多くのメディアで語られています。
 ところが、再生可能エネルギーの買い取り価格が、同様にプロダクトアウトの算出であることへの批判は聞こえてきません。
 更に重大なことは、それぞれのエネルギー毎にその原価を丸呑みし、競争原理が持ち込まれていないという、重大欠陥制度なのです。
 具体的に言うと、上記で一目でお分かりの通り、太陽光の買い取り価格が飛びぬけて高い価格で設定されていることです。
 結論から言うと、太陽光の買い取り価格に、特別に配慮したえこひいきの制度だということです。
 再生可能エネルギーの買い取り価格は一律の価格とし、その間で自由競争が行われ、コストと品質が優れたものが勝ち残る制度が必要です。
 生産者が申請する価格を丸呑みし、20年間その価格を保証しているのですから、国民にその生産業者に貢げと言っているのです。現状の統括原価方式ではそれなりの見直しが行われることとなっていますが、それよりも生産者に貢ぐ方式となっています。
 ズバリ言えば、孫氏の寄生虫商法の為の制度となっています。
 このことを追求するマスコミが、いまだに出てこないのは、宣伝広告費が収入源のマスコミには、大スポンサーに害する評論が出来ないからだと言われても、反論できないでしょう。

 真剣に脱原発を考える時、大量に安定供給が出来る品質を持った代替えエネルギーの育成を第一にすべきです。
 高コストで、天候に左右される太陽光は、基幹エネルギーの資格が無いことは、多くの方々が述べていることです。
 買い取り価格を一本化し、その価格で競争することで、品質と価格に優れたものが淘汰されて残るのです。地熱なのか、海洋エネルギーなのか、もっと別のものなのか、太陽光だけ特別扱いしないで、全ての可能性の芽を摘み取らない制度が必要です。
 孫氏の寄生虫商法の為に造られた今回の制度は、至急見直しが必要です。既に、この価格で投資をした業者もあり、改変が難しいというのなら、全ての買い取り価格を、太陽光と同じにすべきです。




 この花の名前は、広葉の甘菜  撮影場所 六甲高山植物園

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