遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国艦隊が沖縄本島と宮古島の間の公海を南下

2010-04-15 00:50:04 | EEZ 全般
 中国の海洋作戦が遠洋へむけ拡大されていることは、諸兄がご承知のとおりです。
 ソマリア沖の海賊対策での艦船派遣は、絶好の機会とばかりに日本より早く実施しています。インド洋の海自撤退後の後釜も狙っているとかいないとか?
 今月初め頃、産経で「真珠の首飾り作戦」を連載し、中国のインド洋での覇権拡大の状況を伝えていました。また、南シナ海は、ベトナム海軍と戦火を交え勝利し、フィリピンからの米軍撤退もありEEZの主張を武力で押し切り、制海権を確保しています。
 東シナ海でのEEZは、ガス田は軍艦で護り日本が調査船を出す場合には軍艦を出すと脅しをかけ、尖閣から沖縄へかけての覇権拡大を進めています。そして、太平洋はハワイから東を米国、西を中国で統治しようと言っていた中国海軍は、次の目標である第二列島線までの制海権確保に向けた動きを本格始動させてきたようです。
 中国の「真珠の首飾り」戦略:イザ!
 
中国軍ヘリ 海自艦に接近 偵察挑発の可能性 艦隊沖縄近海南下 (4/14 読売朝刊)

 潜水艦2隻を含む計10隻の中国艦隊が今月10日、沖縄本島と宮古島の間の公海を南下したことについて、政府は中国海軍の動きの活発化と遠洋での活動拡大への意欲を改めて示す事例として注視している。
 中国側は人民解放軍機関紙「解放軍報」で、今回の動きを艦隊による実戦訓練や遠洋展開訓練と位置づけている。自衛隊統合幕僚監部によると、フリゲート艦など5隻が7日から9日まで東シナ海で訓練を行い、8日には艦載ヘリが監視活動中の海自の護衛艦の約90メートルまで接近した。艦載ヘリの乗員がカメラを構えているような姿も確認されており、中国側が偵察、挑発行為を行った可能性がある。
 赤星慶治海上幕僚長は13日の記者会見で「これだけ近い距離を飛んだことは、安全航行にもある程度影響をきたす」と述べた。防衛省によると、政府は12日、「安全航行上、危険な行為」として、外交ルートを通じて中国側に事実関係の確認を申し入れた。
 公海上では
潜水して航行するのが通例である潜水艦が、浮上した状態で沖縄本島と宮古島の間を通過したことも、政府を刺激した。中国は台湾海峡有事の際に米空母などの展開を阻む「接近拒否戦略」を進めており、政府内では「艦船の訓練海域を広げ、海軍の能力向上を誇示した」との見方が強い。海洋政策研究財団の小谷哲男研究員は「中国が目指す近海防衛戦略がかなり実行されてきたことを示している」と分析した。
 ただ、公海での艦船航行や訓練は国際法上問題はなく、政府は引き続き中国側の動向を注視する構えだ。平野官房長官は13日の記者会見で、今回の中国艦隊の動向を公表したことが「日本政府がしっかり注視しているというメッセージにもなる」と強調した。
 外務省幹部は「日中関係に与える影響は限定的」と見ており、岡田外相も13日の記者会見で「事実関係をよく確認した上でコメントしたい」と述べるにとどめた。



 3月にも駆逐艦など 6隻が同じ海域を航行していたのだそうですが、今回は更に規模を拡大し、ヘリが海自の艦船に異常接近したり、潜水艦の公海航行通例を破るなど、示威というか挑発行為をするなどしたため、中国海軍の動きを公表したのだそうです。
 米国国防長官府が米国議会に提出した「中華人民共和国の軍事力・2009 -議会向け年次報告書-」を、慶応大学の谷口智彦教授が要約・解析しておられる文書があります。
 中国軍事力白書 2009 年版について  ← このリンクでうまく表示されない場合「http://www2.jiia.or.jp/pdf/resarch/h21_PRC/Military_Power_of_PRC_2009.pdf」のURLをコピペしてください。

 この中で、中国軍が進める「anti-access/area-denial(接近阻止・領域拒否)」という言葉が出てきます。誤解をおそれず判りやすく言うと、接近阻止は設定する防衛線に近づくものを阻止することで、領域拒否は防衛線内での反抗行動を封鎖することの様です。第二列島線の内側の日本や台湾は、完全に制圧した状態で米国に備えるということになります。

 訪米し、オバマ大統領に相手にしてもらえなかった鳩山氏は、胡錦濤主席に会談をさせてもらって、東シナ海ガス田問題の協議再開を迫ったのだそうですが、軽くかわされた様です。中国側にすれば、日米の分断作戦がうまく進んでいるので、対米圧力を強めるには日本を懐柔しようとはしても、米の傘が外れた日本は、フィリピンの前例があるように、侵略は容易になるので、日本の要望に耳を貸す必要がないということになります。

 鳩山氏は、オバマ大統領には完全に信頼を失い、胡錦濤主席からも見下された接し方をされた、かつてない日本の首相という訪米実績を残しました。

 鳩山氏は自業自得なのでしかたないとして、日本国や国民は、一党独裁で言論の自由は一切なく、人権も無視された国に隷属することは望んでいません。ご自身は正しい道を進んでいて国民に支持されていると強弁するのなら、総辞職どころか、解散・衆参同時選挙を実施して信を問うていただきたいものです。

 中国海軍の第二列島線進出が本格化すると、沖の鳥島の攻防が激しくなります。石原都知事はかねて積極的な擁護策を唱えていました、民主党も港湾施設の調査予算をつけるといっていました。
 中国が領土だと言い出さないうちに(まさかの常識はずれを言い始め、繰り返し言い続けることで既成事実化するのは得意芸)、岩だと無視されないために、素早い実行を急ぐ必要が出てきました。

 # 冒頭の図は中国軍事力白書 2009 年版についてからで、「接近阻止・領域拒否」エリアを示したものです。日本、インドを包含しています。


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 続 中国の海洋戦略 






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