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フランスと英国が7月に、2040年までにガソリン車、ディーゼル車の販売を禁止する政策を打ち出し、中国政府も化石燃料車の生産・販売を禁止の検討を始めました。
ガソリン車、ディーゼル車から電気自動車(EV)シフトが加速すれば、部品を含めた自動車産業の構造が大きく変化する産業革命が生じ、対応が迫られていることは衆知のことです。
電気自動車の要となる「車載電池」についての記事がありましたので、備忘録としてアップさせていただきます。
中国、ガソリン車の生産・販売禁止時期を検討 :日本経済新聞
車載電池に最も利用されている「リチウムイオン電池」ですが、「コバルト酸リチウム」「ニッケル酸リチウム」などがあり、正極材にどんなリチウム酸化物を使うかによって性能が大きく変わり、これという決め手のあるものはないのが現状なのだそうです。
2016年の車載電池生産量の世界シェアは、中国政府の新エネルギー車への優遇政策があり、中国が過半数超に達したのだそうです。
そして、群雄割拠する中国国内車載電池メーカーのなかから、寧徳時代新能源科技(CATL)が、2017年にトップに踊り出たのだそうです。理由は、コバルト、ニッケル、マンガンの3種類の材料を正極材に使用する「三元系」リチウムイオン電池。今後の電池の主流は三元系が有力視されているのだそうです。
世界最大の新エネルギー車市場の中国。今後の車載電池市場の発展において、“地の利”を持つ中国車載電池メーカーが、中心的立場を維持することは間違いないとのことですが、車載電池世界最大手のパナソニックは、今年4月、遼寧省大連市に新たな車載電池工場を開所し、電池関連の投資を大連市へ集中させているのだそうです。
まだまだ技術が発展途上の電機自動車。しかし、ガソリン車、ディーゼル車がなくなるという産業革命がおきようとしている。日本の製造業の柱として残っていた自動車産業にその存続が問われる時がきています。
東芝、日産、神戸製鋼と、情けない不祥事が続き、世界に冠たる技術立国日本の信用が堕ちています。
その原因については諸説語られています。この問題は、機会を改めてふれさせていただくこともあろうかと思いますが、日本の大企業が、経営者も社員も、内向きとなりいわゆるサラリーマン根性が根付いてしまっているという説に同意します。
東芝に加えた日本郵便と、日産、神戸製鋼では内容はことなりますが、厳しく望むべき基本中の基本とされることが、サラリーマン根性でないがしろにされていたのです。松下、トヨタの様な、オーナー系だった会社では起きにくい不祥事との評論も聞こえます。
ガソリン車、ディーゼル車が主役の座から墜ちる産業革命。日本の製造業の技術が試される時がきていますね。
# 冒頭の画像は、パナソニックの大連工場
中国 大連の車載用リチウムイオン電池新工場が開所 | プレスリリース | Panasonic Newsroom Japan
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コウヤボウキ
↓よろしかったら、お願いします。
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ガソリン車、ディーゼル車から電気自動車(EV)シフトが加速すれば、部品を含めた自動車産業の構造が大きく変化する産業革命が生じ、対応が迫られていることは衆知のことです。
電気自動車の要となる「車載電池」についての記事がありましたので、備忘録としてアップさせていただきます。
中国、ガソリン車の生産・販売禁止時期を検討 :日本経済新聞
EV時代を前に、中国が世界の「車載電池」工場に 政府のEV普及策が後押し、電池種類の最終形はいまだ流動的 | JBpress(日本ビジネスプレス) 2017.10.11(水) 花園 祐
政府の様々な支援策を受け、今や中国は一般乗用車だけでなく電気自動車(EV)に代表される新エネルギー車市場においても世界一の市場となりました。
直近の2017年1~8月の新エネルギー車販売台数は前年同期比30.2%増の32万台、8月単月では前年同月比76.3%増の5.6万台を記録し、高成長を堅持しています。
こうした新エネルギー車の普及に伴い、そのコア部品である車載電池(中国語で「動力電池」)も重要性を増しています。その中で、世界の電池工場として日増しに存在感を高めているのが中国です。2016年の中国の出荷量は世界シェアで過半数を上回り、世界一となったと分析されています。
今回は、中国の車載電池市場の現状と課題について紹介したいと思います。
<中略>
■2年連続で3ケタ成長した中国の車載電池市場
中国の車載電池市場について、まずマクロデータから見ていきましょう。
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中国のハイテク関連ポータルサイト「OFweek」の調査によると、中国の車載電池生産量の前年比成長率は、2014年に368.4%増、2015年に324.3%増と際立った成長を見せました。2016年こそ78.6%増と3年連続の3ケタ成長を逃したましたが、他国と比べれば依然と高い成長率を達成しています。今後も2022年までは中国政府の支援や計画もあって、年複合平均成長率で25%超を維持すると予想されています。
また、2016年における中国の車載電池生産量の世界シェアは、ほとんどのシンクタンクが6割前後と分析しています。控えめにみても中国が過半数超に達していることは間違いありません。実質的に世界一の車載電池生産市場と言えるでしょう。
こうした中国車載電池市場の急成長の背景には、中国政府の新エネルギー車への優遇政策があります。中国政府は「2040年までにガソリン車を全面的に禁止」する方針を打ち出すだろうと言われています。今後も、中国政府は新エネルギー車に補助金を支給するなどの優遇策を継続すると見られ、車載電池市場も有望視されています。
■群雄割拠が一転、CATLが業界トップに
続いて、中国国内の車載電池市場はどうなっているのでしょうか。
中国ではこれまで、EV生産も手掛ける比亜迪(BYD)グループが、中国の車載電池市場でシェアナンバーワンを維持してきました。ただ業界トップとはいえ、シェアは30%には達していませんでした。急成長市場ということもあり、やや混沌とした群雄割拠のような状態で市場が形成されていました。
それが今年2017年に入ると、それまで2位だった寧徳時代新能源科技(CATL)が一挙にシェアを拡大して、トップに躍り出ました。2位に陥落したBYDとの差も徐々に広げ、業界トップリーダーとしての地位を固めつつあります。
同時に、CATLとBYDのトップ2社が3位以下を大きく突き放し、中国車載電池市場シェアの約半分を握るなど、市場の寡占化も進んでいます。
■主流はリン酸鉄系から三元系へ?
CATLとBYDのトップ交代の背景には何があるのか。中国のメディアや専門家の間では、両社が製造する電池の種類が勝敗を分けたとする見方が多く見られます。
中国の車載電池市場では、これまで「リン酸鉄系」リチウムイオン電池が主流で、2016年は全出荷量に対する比率が73%を占めていました。エネルギー密度が低いものの、安全性が高く、コストの安い鉄を正極原材料に使う電池です。
しかし近年、エネルギー密度や安全性の面で優位のあるコバルト、ニッケル、マンガンの3種類の材料を正極材に使用する「三元系」リチウムイオン電池の需要が高まっており、自動車メーカーの間でもこちらを採用しようとする動きが出てきました。
三元系リチウムイオン電池は高い生産技術が要求されるのですが、CATLはかねてからこの分野に強く、整備されたサプライチェーンと生産技術を既に有していました。そのことが今年の躍進につながったと分析されています。
また、CATLは中国の電池メーカーの中で、唯一、BMWをはじめとした外資系高級車ブランドにも車載電池を納品しており、品質面で高い評価を得ていたことも影響しているでしょう。
一方、これまでリン酸鉄系に偏ってきたBYDも、市場の動向を受けて三元系への対応に動いています。今年8月には、三元系リチウムイオン電池に強い業界4位の合肥国軒高科動力能源有限公司(国軒高科)との提携を発表し、三元系リチウムイオン電池のサプライチェーンを強化する方針を打ち出しています。
中国政府も、リン酸鉄系から三元系への技術転換を国内の電池メーカーに促しているといいます。こうした動きから、現時点では今後の電池の主流は三元系が有力であると各所で予想されています。
■外資を現地生産に引き込む世界最大市場
前述の通り、中国は新エネルギー車が世界で最も売れている市場です。自動車メーカーに電池を供給する電池メーカーにとっても、現地での生産、販売は当然メリットが大きく、世界の大手各社が中国での生産拡大に動き出しています。
トヨタ自動車や米テスラモーターズに電池を供給している車載電池世界最大手のパナソニックは、今年4月、遼寧省大連市に新たな車載電池工場を開所しました。同社は電池関連の投資を大連市へ集中させており、今後、同社にとって一大拠点となることは間違いありません。
世界最大の新エネルギー車市場という“地の利”を持つ中国が、今後も車載電池市場の発展において中心的立場を維持することは間違いないでしょう。ただ、かつてはリチウムイオン電池の世界シェアの9割が日本メーカーによって占められていた時期もあります。それだけに、こうした状況を座視していていいのかという思いも禁じえません。
今となっては時すでに遅しですが、それこそ安倍首相にはトランプ大統領ばりに「世界の電池をすべて日本製にしてやる!」などと発破をかけて産業奨励をしてもらいたかった、というのが筆者の本音です。
政府の様々な支援策を受け、今や中国は一般乗用車だけでなく電気自動車(EV)に代表される新エネルギー車市場においても世界一の市場となりました。
直近の2017年1~8月の新エネルギー車販売台数は前年同期比30.2%増の32万台、8月単月では前年同月比76.3%増の5.6万台を記録し、高成長を堅持しています。
こうした新エネルギー車の普及に伴い、そのコア部品である車載電池(中国語で「動力電池」)も重要性を増しています。その中で、世界の電池工場として日増しに存在感を高めているのが中国です。2016年の中国の出荷量は世界シェアで過半数を上回り、世界一となったと分析されています。
今回は、中国の車載電池市場の現状と課題について紹介したいと思います。
<中略>
■2年連続で3ケタ成長した中国の車載電池市場
中国の車載電池市場について、まずマクロデータから見ていきましょう。
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中国のハイテク関連ポータルサイト「OFweek」の調査によると、中国の車載電池生産量の前年比成長率は、2014年に368.4%増、2015年に324.3%増と際立った成長を見せました。2016年こそ78.6%増と3年連続の3ケタ成長を逃したましたが、他国と比べれば依然と高い成長率を達成しています。今後も2022年までは中国政府の支援や計画もあって、年複合平均成長率で25%超を維持すると予想されています。
また、2016年における中国の車載電池生産量の世界シェアは、ほとんどのシンクタンクが6割前後と分析しています。控えめにみても中国が過半数超に達していることは間違いありません。実質的に世界一の車載電池生産市場と言えるでしょう。
こうした中国車載電池市場の急成長の背景には、中国政府の新エネルギー車への優遇政策があります。中国政府は「2040年までにガソリン車を全面的に禁止」する方針を打ち出すだろうと言われています。今後も、中国政府は新エネルギー車に補助金を支給するなどの優遇策を継続すると見られ、車載電池市場も有望視されています。
■群雄割拠が一転、CATLが業界トップに
続いて、中国国内の車載電池市場はどうなっているのでしょうか。
中国ではこれまで、EV生産も手掛ける比亜迪(BYD)グループが、中国の車載電池市場でシェアナンバーワンを維持してきました。ただ業界トップとはいえ、シェアは30%には達していませんでした。急成長市場ということもあり、やや混沌とした群雄割拠のような状態で市場が形成されていました。
それが今年2017年に入ると、それまで2位だった寧徳時代新能源科技(CATL)が一挙にシェアを拡大して、トップに躍り出ました。2位に陥落したBYDとの差も徐々に広げ、業界トップリーダーとしての地位を固めつつあります。
同時に、CATLとBYDのトップ2社が3位以下を大きく突き放し、中国車載電池市場シェアの約半分を握るなど、市場の寡占化も進んでいます。
■主流はリン酸鉄系から三元系へ?
CATLとBYDのトップ交代の背景には何があるのか。中国のメディアや専門家の間では、両社が製造する電池の種類が勝敗を分けたとする見方が多く見られます。
中国の車載電池市場では、これまで「リン酸鉄系」リチウムイオン電池が主流で、2016年は全出荷量に対する比率が73%を占めていました。エネルギー密度が低いものの、安全性が高く、コストの安い鉄を正極原材料に使う電池です。
しかし近年、エネルギー密度や安全性の面で優位のあるコバルト、ニッケル、マンガンの3種類の材料を正極材に使用する「三元系」リチウムイオン電池の需要が高まっており、自動車メーカーの間でもこちらを採用しようとする動きが出てきました。
三元系リチウムイオン電池は高い生産技術が要求されるのですが、CATLはかねてからこの分野に強く、整備されたサプライチェーンと生産技術を既に有していました。そのことが今年の躍進につながったと分析されています。
また、CATLは中国の電池メーカーの中で、唯一、BMWをはじめとした外資系高級車ブランドにも車載電池を納品しており、品質面で高い評価を得ていたことも影響しているでしょう。
一方、これまでリン酸鉄系に偏ってきたBYDも、市場の動向を受けて三元系への対応に動いています。今年8月には、三元系リチウムイオン電池に強い業界4位の合肥国軒高科動力能源有限公司(国軒高科)との提携を発表し、三元系リチウムイオン電池のサプライチェーンを強化する方針を打ち出しています。
中国政府も、リン酸鉄系から三元系への技術転換を国内の電池メーカーに促しているといいます。こうした動きから、現時点では今後の電池の主流は三元系が有力であると各所で予想されています。
■外資を現地生産に引き込む世界最大市場
前述の通り、中国は新エネルギー車が世界で最も売れている市場です。自動車メーカーに電池を供給する電池メーカーにとっても、現地での生産、販売は当然メリットが大きく、世界の大手各社が中国での生産拡大に動き出しています。
トヨタ自動車や米テスラモーターズに電池を供給している車載電池世界最大手のパナソニックは、今年4月、遼寧省大連市に新たな車載電池工場を開所しました。同社は電池関連の投資を大連市へ集中させており、今後、同社にとって一大拠点となることは間違いありません。
世界最大の新エネルギー車市場という“地の利”を持つ中国が、今後も車載電池市場の発展において中心的立場を維持することは間違いないでしょう。ただ、かつてはリチウムイオン電池の世界シェアの9割が日本メーカーによって占められていた時期もあります。それだけに、こうした状況を座視していていいのかという思いも禁じえません。
今となっては時すでに遅しですが、それこそ安倍首相にはトランプ大統領ばりに「世界の電池をすべて日本製にしてやる!」などと発破をかけて産業奨励をしてもらいたかった、というのが筆者の本音です。
車載電池に最も利用されている「リチウムイオン電池」ですが、「コバルト酸リチウム」「ニッケル酸リチウム」などがあり、正極材にどんなリチウム酸化物を使うかによって性能が大きく変わり、これという決め手のあるものはないのが現状なのだそうです。
2016年の車載電池生産量の世界シェアは、中国政府の新エネルギー車への優遇政策があり、中国が過半数超に達したのだそうです。
そして、群雄割拠する中国国内車載電池メーカーのなかから、寧徳時代新能源科技(CATL)が、2017年にトップに踊り出たのだそうです。理由は、コバルト、ニッケル、マンガンの3種類の材料を正極材に使用する「三元系」リチウムイオン電池。今後の電池の主流は三元系が有力視されているのだそうです。
世界最大の新エネルギー車市場の中国。今後の車載電池市場の発展において、“地の利”を持つ中国車載電池メーカーが、中心的立場を維持することは間違いないとのことですが、車載電池世界最大手のパナソニックは、今年4月、遼寧省大連市に新たな車載電池工場を開所し、電池関連の投資を大連市へ集中させているのだそうです。
まだまだ技術が発展途上の電機自動車。しかし、ガソリン車、ディーゼル車がなくなるという産業革命がおきようとしている。日本の製造業の柱として残っていた自動車産業にその存続が問われる時がきています。
東芝、日産、神戸製鋼と、情けない不祥事が続き、世界に冠たる技術立国日本の信用が堕ちています。
その原因については諸説語られています。この問題は、機会を改めてふれさせていただくこともあろうかと思いますが、日本の大企業が、経営者も社員も、内向きとなりいわゆるサラリーマン根性が根付いてしまっているという説に同意します。
東芝に加えた日本郵便と、日産、神戸製鋼では内容はことなりますが、厳しく望むべき基本中の基本とされることが、サラリーマン根性でないがしろにされていたのです。松下、トヨタの様な、オーナー系だった会社では起きにくい不祥事との評論も聞こえます。
ガソリン車、ディーゼル車が主役の座から墜ちる産業革命。日本の製造業の技術が試される時がきていますね。
# 冒頭の画像は、パナソニックの大連工場
中国 大連の車載用リチウムイオン電池新工場が開所 | プレスリリース | Panasonic Newsroom Japan
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コウヤボウキ
↓よろしかったら、お願いします。
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