遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

「九段線」に法的根拠なし 仲裁裁判所裁定

2016-07-12 23:58:58 | EEZ 全般
 今日、7月12日は待ち焦がれていた日でした。中国が、力で覇権拡大を強行し、人口島を建設したり、関係諸国との領海争いを強引に侵略して、南シナ海の全域と言ってよい「九段線」を根拠なく主張し、制海空権を設定した行為への、フィリピンが係争する部分への仲裁裁判所裁定が下される日だからです。
 事前に、中国には不利な裁定となるとの情報が報道され、中国は裁判は無効で裁定には従わないと公言していました。
 下された裁定は、遊爺の予想を超える、完璧な中国の主張の全否定です。国連海洋法条約に基づき、フィリピンが仲裁を求めたものですが、広く「九段線」の無効と、人口造成を進めた礁を、「岩」や「低潮高地」との裁定を下し、EEZや領海の設定を認めませんでした。
 

南シナ海、中国の「九段線」に法的根拠なし 初の国際司法判断 :日本経済新聞

 【ブリュッセル=森本学】南シナ海における中国の海洋進出を巡ってフィリピンが提訴した裁判で、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は12日、中国が海域のほぼ全体での主権を規定する「九段線」には国際法上の根拠がないと認定した。この海域で人工島造成や軍事化を進める中国の主張に対する国際的な司法判断が出るのは初めてで、原告フィリピンの訴えが認められた。日米や沿岸国などは中国への批判を強めそうだ。

 南沙諸島などで
中国が人工島などを造成している場所についても判断を下した。スカボロー、クアテロン、ファイアリークロスなどの各礁を「島」ではなく「岩」と認定排他的経済水域(EEZ)は設けられないとした。さらにスービ、ミスチーフ、セカンドトーマスなどの各礁は、満潮時に水没する「低潮高地」(岩礁)だとして、EEZだけでなく、領海も設定できない
とした。

 もともと「九段線」の法的根拠はなく、中国は歴史的に自国の管轄権が及んでいた範囲とし、諸説ある様ですが、明の永楽帝の時代、1405年に始まったとされる、鄭和艦隊の大航海による管轄を唱える説までありますね。
 論拠が無く、今日の国際法に基づいて裁定された今回の「九段線」による中国の領土・領海の主張が否定された意義が大きいことは今更申し上げるまでもありません。
 フィリピンと中国との間の係争のみならず、中国が南シナ海で展開する、力による覇権拡大の論拠が否定されたのです。

 ただ、仲裁裁判所の裁定を無視した例は過去にもあるのだそうです。但し、米国当局は、今回の件をニカラグアの係争と比較するのは適当でないと主張しているのだそうです。
 
中国、仲裁判決無視なら前例は「米国」 - WSJ

 いずれにしても、ハーグでの仲裁裁判所の裁定は、欧州他広く世界に知られることとなり、南シナ海での中国の暴挙が、違法であり中国が国際法を無視するならずもの国家であることが認知されることになります。
 今後の、展開(特に、媚中の欧州諸国の反応)について、注目されますね。



 # 冒頭の画像は、鄭和と航跡図




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