遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米国の2大政党制が崩れ、「3極化」が定着

2013-10-18 23:56:50 | my notice
 米議会のねじれによる混迷が、暫定合意で、政府の債務上限引き上げと、米政府機能を再開するための暫定予算を盛り込んだ関連法案が成立し、デフォルトを先送りすることが出来ました。
 この事態の原因は、米国の財政赤字なのか、米議会のねじれなのか、オバマ大統領のリーダーシップなのか、諸説が姦しいのですが、米国の二大政党政治制度が崩壊していると指摘する記事がありました。
 

影薄かった大統領 アメリ力総局長 飯塚恵子 (10/18 読売朝刊)

 米国政治はもはや、従来の民主、共和両党による2大政党制が崩れ、「3極化」が定着した
のではないか。米史上初の債務不履行(デフォルト)を防ぐ最後の"命綱"となる法案を採決した16日夜の下院の結果が、それを物語る。
 民主、共和の超党派指導部でようやく練り上げた合意への賛否は、民主党から賛成198票、共和党から賛成87票、反対144票━━と分かれた。
3極の内訳は、「大きな政府」を志向する民主党比較的「小さな政府」を志向する伝統的な共和党の穏健派、そして、政府機能すら否定しようとする「茶会」グループ中心の共和党の保守強硬派
である。
 米議会は、片方の院の否決が事実上の拒否権となる。3極化すると、過半数にならず、常に物事が決まらない。与党はどちらかと手を結び、2対1とする必要があるが、
三方いずれにも今、知恵と戦略のある指導者が不在
だ。ホワイトハウスのカーニー報道官は16日、「この状況では勝者はだれもいない」と嘆いた。
 主張が過激な茶会一派は、本来は草の根の動きで、議会でここまで広がりはなかった。だが、豊富な資金力で各地の選挙を左右するようになり、多くの政治家が今、揺さぶられている。
 
「政策より選挙」を重視する政治家が増え、今回の決着は実に期限ぎりぎりの1時間半前までかかった。米国政治の劣化は底
まで達したと言わざるをえない。
 オバマ大統領は採決のヤマを越えた16日夜、「我々は『危機によって統治する癖』から抜け出さなければならない」と語った。
 
自分たちの意思だけではもはや国家を運営できず、「締め切り」という崖っぷちに毎度追い込まれないと合意形成できなくなっている
ことを認めた言葉だ。
 与党・民主党のトップである
大統領が前面に立って指導力を発揮しなかった責任は大きい
。15日の記者会見で、米メディアはカーニー氏に「この重大危機で、大統領が直接合意とりまとめに乗り出す局面はなかったのか」と詰め寄った。
 
16日の決着は、単に危機を先送りしただけだ。茶会は今回、世論には批判されたが、選挙戦を動かす資金力は衰えておらず、年明けに再び同じ事態を引き起こす可能性が高い。次に備え、穏健派と結ぶ策を今から打てるかどうか━━。オバマ氏にそれを望むのは、もう無理なのだろうか。

 二大政党のうちの、野党共和党が、伝統的な穏健派と、「茶会」グループを中心とする保守強硬派に分裂しているのですね。
 民主党の高所得者の所得を再分配して低所得者への福祉充実を図る基本政治姿勢と、個人の責任を尊重する小さな政府を標榜する共和党との双方の基本的政治姿勢の衝突があり、今回「オバマケア」がその衝突を顕在化させたのですね。そして、ねじれの議会で、共和党が穏健派と強硬派に分裂したため、二大政党の調整機能が働かなくなった。
 大統領がリーダーシップを発揮すべきところ、積極的な動きが見られなかった。
 上記記事の他に、大統領のリーダーシップの行動の欠如を指摘する声はありますね。例=青山繁晴氏
 ▶ 2013/10/17 ザ・ボイス 青山繁晴 ニュース解説「アメリカがデフォルトを瀬戸際で回避 政府機関もきょう再開」「非正規労働者の雇用10年まで更新へ」など - YouTube


 今回は一時先送りしただけで、二大政党の三極化も、財政赤字も、オバマ大統領のリーダーシップの行動力も、いずれも変わっていません。
 米国の混乱の行方はどうなるのでしょう。
 日本は米国頼りから、自立の道への進捗を早めねばなりませんね。
 

与野党対立解消されず 年明け危機再燃の恐れ (10/17 読売朝刊)

 共和党議員も取り込んだ上下両院での賛成多数で危機を脱したとはいえ、今回の収拾策は問題の先送りにすぎない。来年1月15日までの暫定予算が切れ、議会の交渉が行き詰まると、政府機能は再び一部停止となる。債務上限の引き上げも来年2月7日の期限付きで、国債の利払いができなくなるデフォルトの危機
がついて回る。
 オバマ大統領はホワイトハウスで声明を読み上げ、今回の事態を「教訓」に、与野党が協調して一致点を探る必要性を強調した。「数か月以内にまた同じことが起きるのか」という記者団の質問には「ノー」と答えた。
 しかし、2010年の中間選挙で共和党が躍進し、上下両院で「ねじれ」が生じて以来、
議会が機能不全に陥っている状況は変わっていない
。債務の上限は、これまでもデフォルトの危機に直面するたび、その場しのぎで引き上げられてきたのが実情だ。
 今後、抜本的、長期的な財政再建策で与野党が合意しない限り、「期限」が来るたびに危機が繰り返されることになる。
共和党は政府の役割を最小限に抑えるべきだと主張し、社会保障関連予算の縮小や減税を求める。オバマケアの見直し
はその象徴だ。
 一方、
オバマ政権は教育や職業訓練、社会保障など必要な財政支出は維持しながら、富裕層の増税などで財政再建を図る
が、富裕層に支持者の多い共和党が抵抗するのは確実と言える。来年11月に連邦議会の中間選挙を控える中、党派対立を打破するのは至難の業だ。
 議会は今回の危機回避にあたり、財政赤字削減に関する超党派委員会を設置することを決め、12月13日までの勧告を求めたが、議論の行方は不透明だ。






  この花の名前は、オキザリス


↓よろしかったら、お願いします。





Fotolia





 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 10月17日(木)のつぶやき | トップ | 10月18日(金)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

my notice」カテゴリの最新記事